2023年10月21日(土)
2023明治安田生命J1リーグ 第30節
アルビレックス新潟 1 vs. 1 サガン鳥栖
入場者数:17,555人(デンカビッグスワンスタジアム)
暑い9月が通り過ぎたと思ったら、
一気に寒さが訪れる10月となりました。
とはいえ、もうすぐ11月でもあり、
この程度の寒さは例年通りと思われますので、
9月がいつも以上に暑すぎたのだと思います。
毎日のように30℃を超えていた気温も、
本日は最高気温が15℃程度となっています。
本日は、ホームにサガン鳥栖を迎えての一戦です。
サポーターの皆さんは、
ダウンやベンチコートを着用されている方も多く、
しっかりと寒さ対策をした上での観戦となりました。
今節の新潟の開始フォーメーションは、4-4-2。
ゴールキーパーは小島選手。
ディフェンスラインは、右から
藤原選手、舞行龍選手、渡邊選手、新井選手。
ボランチは秋山選手、高選手。
サイドハーフは右に松田選手、左に太田選手。
ツートップは高木選手と鈴木選手です。
鳥栖は、前線での激しいプレスでのボール回収と
自陣からのビルドアップを織り交ぜて戦ってくるチーム。
序盤から新潟は鳥栖の激しいプレスにあいますが、
その反面、鳥栖のサイドには膨大なスペースがあり、
新潟はそのスペースをうまく活かし、
そこへボールを放り込んで松田選手が駆け上がって
チャンスを演出するシーンが多くなります。
前線までうまくボールを運んでも
決定機は作れない状況が続きましたが、
前半アディショナルタイム、松田選手のクロスが
相手ペナルティエリア内でハンドを誘い、
これが PKの判定となります。
これをPK職人とも呼ばれる鈴木選手がきっちり決めて、
新潟が前半終了間際という素晴らしい時間帯に
先制に成功します。
しかし、喜びも束の間、その直後のプレーで
鳥栖陣内からのロングボール1本でサイド深くまで侵入され、
上げられたクロスを新潟の選手が一人も触れることができず、
鳥栖にきっちりと沈められて、
あっという間に同点に追いつかれます。
前半は1-1での折り返しとなりました。
後半も流れはそのまま。
新潟は鳥栖のサイドをうまく活かしてボールを運びますが、
そこからの攻撃が浮き玉のクロス一辺倒で、
なかなか決定機を作り出すことができません。
逆にクロスやセットプレーからピンチを招きますが、
小島選手を中心にボールを跳ね返し、逆転は許しません。
お互いが得点の一歩手前まで行きつつも
なかなかそれをモノにできない一進一退の攻防が続きます。
新潟はダニーロ選手、星選手、小見選手、谷口選手、長谷川選手と
次々と攻撃にアクセントを加えて勝ち越しを狙いますが、
攻撃が噛み合わず決定機を作ることができません。
試合はそのまま、1-1で終了となりました。
今季初の3連勝を狙った試合は、引き分けで終わりました。
直近5試合で負けなし(2勝3分)という状況は、
決して悲観する状況でもないと思いますが、
勝ちきれないチームというのは
なかなか上位に浮上することはできません。
今節の結果をもって、新潟のJ1残留が正式に決まりました。
来年もJ1の舞台で戦うことができることは非常に嬉しいですが、
今のチーム状況で来年のJ1を戦い抜くことができるかというと
不安があるということも事実です。
さらにJリーグの「秋春制」への移行も本格的に進められ、
新潟がJ1で活躍するためには非常に大きな障壁があります。
今後も様々な要素から苦しいシーズンになることが予想されますが、
Jリーグの理念を貫く地方クラブとして、
最後の最後まで戦い続けて欲しいと思います。
試合前には、年中・年長スクール生による
エキシビジョンマッチが開催されました。
雨の中、頑張りました!
追記:特別編)「秋春制」について
ここからは、Jリーグが目指す「秋春制」への移行、
およびそれに対する新潟のクラブとしての考え,
そして地方クラブの一サポーターの考えについてまとめます。
長くなりますので、興味がない方はスルーしてください笑
まず、前提として、
・ACLの日程が秋開幕・春閉幕となったこと、
・夏場の試合は戦う選手たちに命の危険があること、
・欧州移籍を目指すためには欧州のカレンダーにあわせて
秋開幕・春閉幕とした方が移籍がスムーズに進むこと、
主にこの3点をメリットとしてかかげて、
Jリーグは「秋春制」への移行を進めています。
「秋春制」といっても、その実態は8月開幕、5月閉幕であり、
1月はウインターブレイクとして中断期間を設けることになります。
つまり、認識しておかなければならないことは、
「秋春制」への移行を進めたとしても
・最も暑い時期の8月の試合がなくなるわけではないこと
・最も寒くて雪が多い1月に試合を行うわけではないこと
(ただし、12月、2月は試合が行われます。)
は認識しておく必要があります。
この点、閉幕を迎える5月を「春」ということはまだしも、
開幕を迎える8月を「秋」というのは強い違和感を感じ、
それでも「秋春制」の言葉を使い続けて
あたかも夏場の試合を避けるような
誤解を招く言葉を使い続けていることには、
不信感を感じざるを得ません。
素直に「夏春制」(もしくは5月も暑いので「夏夏制」)といった方が、
サポーターの理解も深まるのではないかと思うのですが。
(もっと言うと、現行の2月開幕・12月閉幕も、
「春秋制」というよりは「冬冬制」と言った方が正しい感じもあり、
「冬冬制」から「夏夏制」への移行と言うのが一番正しい気もします。)
そして、冬季の試合や暑い時期の試合を避けるためには、
平日のナイトゲームが増える可能性が高く、
ただでさえ来年からJ1リーグは現行より2チーム多い20チームになるのに、
多くの観客動員が臨める休日開催が少なくなってしまうことも
「秋春制」の移行を考える際に重要な点です。
チケット収入やスタジアムでのグッズ収入は、
クラブの経営を支える柱の一つです。
ここにダメージを受けるとなると、
今でさえ経営が危ういクラブが少なくない中、
特に地方のクラブは生き残ることが難しくなる可能性があります。
アルビレックス新潟は、Jリーグが掲げる「秋春制」への移行に対し、
断固として「反対」と強い言葉で言い切っています。
主な理由としては、
・「秋春制」への移行でのリーグ全体としての
メリットが見えてこないこと、
・「選手のため」と掲げておきながら、
ウインターブレイクもオフではないので練習を続ける必要があり、
試合がない6-7月も結局はキャンプなどで練習を行うことになるので、
夏場の練習や試合を避けることにもつながらずオフも短くなり、
却って選手の負担を増やすことになることが危惧されること、
・恩恵を受けるのはACLに参加するクラブや
欧州移籍を目指す選手かもしれないが、
それはJリーグのごく一部であり、
逆に地方クラブは衰退していく可能性もあり、
それはJリーグが掲げる「地域密着」とはかけ離れたものであること、
・自前でスタジアムを持っているクラブは少なく、
他競技とも話し合いを進めて現行のスケジュールで動いている中、
今後は試合の日にスタジアムを使えないという可能性も出てくること、
・Jリーグが「秋春制」に移行しても学校は「春冬制」のままであり、
そこで乖離が生じると国内での選手獲得に支障が生じること、
などをあげています。
詳しくは下記の公式ホームページをご参照ください。
Jリーグとしては、
「秋春制」移行に賛成しているクラブがほとんどだとして、
2026年度からの移行に向けて着々と準備を進めています。
反対の言葉を明言しているのは、新潟だけです。
そのため、新潟に対しては他クラブのサポーターと思われる人から
「自分勝手なことを言うな」
「変化を恐れていたら成長できない」
「そんなに嫌なら、Jリーグから脱退しろ」
と、強い言葉で批判を受ける形となっています。
それでも、クラブとしては断固反対の姿勢を崩しておりません。
「できないことはできない」と、中野社長も明言しています。
サポーター目線から言わせてもらうと、
ACLのため、夏場の試合を減らすため、
選手の欧州移籍を進めるため、として
Jリーグが「秋春制」を目指すということは違和感があり、
Jリーグの本当の考えとしては
「日本代表の成長のためにはどんどんと
選手が欧州へ移籍した方がよいので、
そのためにカレンダーを欧州に合わせた方がよい」
というのが唯一の考えなのだと思います。
おそらく、すべては日本代表の成長のためであり、
そこを言葉を濁してゴニョゴニョと
あたかも全ての人たちにメリットがあるかのように
取ってつけたような屁理屈をつけるので、
話がややこしくなっているのだと思います。
もともとJリーグ自体、日本代表の強化のために作られた組織です。
当初は日本代表もJリーグの中心選手が主体であり、
Jリーグの成長が日本代表の成長という分かりやすい図式がありました。
しかし、30年経った今、
日本代表を構成する選手はほとんどが欧州のクラブ所属となり、
Jリーグのクラブは地域密着の理念の中、地域貢献活動も行いながら
着実に地域に根付いてきました。
そんな中、Jリーグの成長が日本代表の成長につながるかということに
少し捻れが生じてきていることはあるかもしれません。
それならば、選手は早いうちに欧州へ移籍した方が
選手の成長にもつながるし代表の強化にもなる、ということです。
この部分は、誰しもが理解できる部分かと思います。
「秋春制」では、1月の試合を避けることはできても、
12月と2月の試合は多くなることが予想されます。
最近は新潟市内であっても12月や2月は街全体が雪で覆われ、
バイパスや高速道路も通行止めとなり、
頼りになるのは新幹線と自分の足だけ、という状況も多くなっています。
そんな中、新潟市内で試合を行うのは難しいので、
冬季はすべてアウェイゲームになるのでしょうが、
生活に苦しい新潟の方が他県に試合観戦に行くのは難しく、
アウェイへの観戦者は少なくなるでしょう。
ナイトゲームが増えることは、子どもたちが見に行ける回数も少なくなり、
サッカー人口が全体的に衰退していくことも予想されます。
一部の熱狂的なサポーターによる応援は続くでしょうが、
それも長く持たず、長い目でみれば
若者や新規の方が興味をもてない分野は衰退していきます。
それはまさに、15年目〜25年目頃のJリーグではないでしょうか。
1993年に開幕を迎えたJリーグは、当初は多くの注目を浴びましたが、
バブル経済も弾け、どんどんと観客は減っていき、注目も落ちました。
それでもここまで這い上がることができたのは、
各クラブが地域密着の理念のもと、学校訪問や介護施設訪問など、
地道な活動を繰り返してきたからです。
多くの地域の子供たちやお年寄りに支えられて、
今のJリーグのクラブは存続することができています。
今、Jリーグの各クラブは地元を大切にして、
地方活性化のために何ができるかを必死に考えて活動しています。
老若男女が安全にスタジアムで試合観戦を楽しむことができるのは、
Jリーグが世界に誇る部分だと思います。
これを失ってしまっては、Jリーグの基盤が揺らぐことになり、
Jリーグが掲げる「100年構想」などは
夢のまた夢になってしまいそうです。
雪も降らない都会の強豪4クラブ程度だけのリーグならば、
「秋春制」移行は全く問題ないと思います。
ただ、30年経ち、JリーグはJリーグとして成長してきた部分もあります。
そこをなかったかのように切り捨てて
日本代表の強化のために突き進むということは、
地方のクラブとしてはとても賛同できません。
それならばはっきりと、
「地域密着の理念は捨てて、地方のクラブは切り捨てて、
これからは強豪クラブだけでJリーグを盛り上げていく」と
宣言された方が、わかりやすくてよいと思います。
「秋春制」は誰にとってもメリットだらけです、
といったような語り口調になっているから、不信感しか生まれないのです。
Jリーグには正直に、思うこと・方針を明言して、
その方針に向けて話し合いを含めて進めて欲しいと思っています。
神戸の初優勝か、横浜FMの連覇か。はたまた、他チームの逆転優勝か?
残り4試合。最後まで優勝戦線から目が離せません。
下位の方では、横浜FCが勝利して最下位脱出かと思われましたが、
湘南も見事に勝利を掴み取り、残留圏に踏みとどまっています。
こちらも、最後まで目が離せません。
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