2021年12月6日月曜日

2021明治安田生命J2リーグ 第42節

021年12月5日(日)

2021明治安田生命J2リーグ 第42節

アルビレックス新潟 0 vs.    2 FC町田ゼルビア

入場者数:11,955人(デンカビッグスワンスタジアム)

今季もついに最終節を迎えました。
今節はホーム最終戦で、FC町田ゼルビアを迎えての一戦です。
前日に、元日本代表戦士であり、
今現在新潟に所属する選手の中で最長の在籍期間を誇る
田中達也選手の現役引退発表がありました。
今節は、田中達也選手がキャプテンマークを巻いて
センターフォワードで先発出場することが
あらかじめアルベルト監督から発表されました。
アルベルト監督自身も、
新潟を率いて戦うラストゲームとなります。

今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは阿部選手。
ディフェンスラインは、右から
藤原選手、千葉選手、舞行龍選手、田上選手。
ボランチは、高選手、福田選手。
中盤は、右からロメロ選手、高木選手、鈴木選手。
ワントップは、宣言通り田中選手です。

試合は今までの多くのゲームのように、
新潟が多くボールを保持して攻撃を組み立てる展開となります。
攻めあぐねる時間帯が続くと町田の勢いが強くなり、
押し込まれる場面も多くなります。
そして前半40分、コーナーキックの流れから押し込まれて、
攻めている時間帯で点がとれずに先制点を献上するという、
まさに今シーズンを象徴する形でリードを許します。
前半はそのまま、0-1での折り返しとなりました。

後半、新潟は攻勢を強めて同点ゴールを狙います。
それでも町田の守備を前に
ほとんどシュートを打てない時間帯が続くと、
後半23分、「新潟キラー」の一人であるドゥドゥ選手に
今節も得点を決められ、追加点を許します。
その後もボールを保持して得点を狙う新潟ですが、
2点のリードを得て
更に守備を固めて守る町田の前になすすべなし。
結局試合はそのまま、0-2での敗戦となりました。

今季、あれだけ無敗を誇った前半は夢だったかのように、
ほとんど勝利を掴むことができなかった後半戦。
今節もポゼッション率は59%と高く保持したものの、
シュートは3本と「ただボールを持たされただけ」の試合でした。
町田の枠内シュートはなんと7本であり、
まさに町田の術中にはまったゲームと言えるでしょう。
来季も監督は交代しますが、町田は苦手な相手の一つと言えます。
昇格を目指す中で、町田のようなチーム相手に
どのように勝利を掴むか。
今季はこれで終了ですが、
来季を見据えて準備を進めていきましょう。
ひとまず一年間、お疲れさまでした。
まずはゆっくり体を休めてください。

追記1)
引退発表をした田中達也選手。
前半32分での交代となりましたが、その際は
お互いの選手がピッチ内に花道を作り、
それをくぐっての交代となりました。
ピッチ外でも多くの選手やスタッフが花道を作り、
田中達也選手を見送りました。
試合終了後のセレモニーで挨拶を行った田中選手ですが、
その前に今季をもって契約満了が発表された大本選手から
田中選手の存在がいかに大きかったかを伝えられたり、
今までの田中選手のサッカー人生をまとめた動画が流されて、
挨拶の前からすでに目頭が熱くなっていました。
そして、花束贈呈はご家族の方。
ご家族の方の目も涙で溢れており、
その中にはアルビレックス新潟レディースの
トップチームへの昇格が決まった
田中聖愛選手の姿もありました。
田中達也選手は今季をもって引退されますが、
前線からがむしゃらにボールを追いかけ続ける精神は
田中聖愛選手も含めて多くの選手に
受け継がれていくことでしょう。
田中達也選手、今までお疲れさまでした。
多くの感動を与えていただき、ありがとうございました。
今後も、田中達也選手の「第二の人生」が
輝いたものになることを祈念しております。

追記2)
愛着がある選手たちとの別れは非常に辛く寂しいものですが、
それでもアルビレックス新潟は前に進んでいかねばなりません。
次の監督については、まだ公式に発表されてはいませんが、
一部報道で松橋力蔵コーチが就任することが
決まったと流されました。
アルベルト監督の退任の挨拶でも、
「日本人の監督が日本人の選手を率いて昇格を目指してほしい」
とのコメントがありました。
松橋コーチは元横浜マリノス(現横浜Fマリノス)の
アカデミーの監督で、その際に指導を受けたのが
新潟に所属している高木選手、星選手です。
今季、その優れたフィジカルとキープ力、
そして素早いこぼれ球の反応で
チームに大いに貢献したロメロ選手の契約満了が発表されました。
少し驚きましたが、横浜Fマリノスが展開するような
素早くボールを相手ゴールへ運ぶチームを
目指すということでしょうか。
すでに来季に向けた編成は始まっており、
どのようなチームができあがっていくのか、非常に楽しみです。
注)12/6 15:00に、松橋コーチが2022シーズンの監督に
就任することが決まったと正式発表されました。

追記3)
今季は、後半は勝利から遠ざかる日々が続きましたが、
それでも最終的には6位と降格後の最高順位で終えました。
前半の勢いが凄まじかっただけに悔しさは強いですが、
チームとしては成長していると考えてよいのではないでしょうか。
アルベルト監督からの最後の挨拶として、
「J1リーグ昇格を目指すのではなく、
J1リーグで戦えるチーム作りを目指すべきだ」
とのコメントがありました。
それはその通りだと思うのですが、
まずはJ1リーグへ昇格しないとJ1リーグで戦えないのも当然のこと。
また、補強においてもJ2リーグにいるよりは
J1リーグにいた方がよりよい選手を獲得しやすいのも事実です。
とはいえ、J1リーグへの昇格をすべての目標にしてしまって
昇格したところで「燃え尽き症候群」のようになるわけにはいきません。
J1への昇格を第一の目標としつつ、
J1リーグでも戦える土台を作るべく、
引き続きクラブには期待していきたいと思います。
ひとまず一年間、選手もスタッフの方も、
サポーターもお疲れさまでした!


順位チーム勝点試合得失
1ジュビロ磐田914227105754233
2京都サンガF.C.844224126593128
3ヴァンフォーレ甲府804223118653827
4V・ファーレン長崎784223910694425
5FC町田ゼルビア7242201210643826
6アルビレックス新潟6842181410614021
7モンテディオ山形684220814614912
8ジェフユナイテッド千葉6642171510483612
9FC琉球6542181113574710
10水戸ホーリーホック594216111559509
11ファジアーノ岡山594215141340364
12東京ヴェルディ58421610166266-4
13ブラウブリッツ秋田47421114174153-12
14栃木SC45421015173751-14
15レノファ山口FC43421013193751-14
16大宮アルディージャ4242915185156-5
17ツエーゲン金沢41421011213960-21
18ザスパクサツ群馬4142914193556-21
19SC相模原3842814203354-21
20愛媛FC3542714213867-29
21ギラヴァンツ北九州3542714213566-31
22松本山雅FC3442713223671-35
磐田は最終節も勝利し、勝ち点は91となりました。
得点は75、得失点差33という圧倒的な強さでJ2リーグを制しました。
三位の甲府は勝ち点80に伸ばしましたが、
昇格まであと一歩、足りませんでした。
J1リーグからは、徳島、大分、仙台、横浜FCが降格してきます。
来季のJ2リーグは、ますます群雄割拠のリーグとなりそうです。
残留争いについては、19位の相模原がヴェルディ相手に敗戦。
大宮、金沢、群馬は残留を決めました。
J3リーグでは岩手が引き分け、熊本が勝利したことで、
暫定首位だった宮崎をかわして熊本が優勝、
岩手が二位での昇格となりました。
これを受けて、J2リーグ19位の相模原の降格が決まりました。
岩手は初めてのJ2リーグ昇格となります。
熊本、岩手の関係者のみなさま、おめでとうございました!
来季、一緒に戦うことができることを楽しみにしています。
今季もすべてのリーグ戦が終了となりました。
まだ天皇杯などが残っていますが、
すべてのクラブの選手、スタッフ、サポーターのみなさま、
一年間お疲れさまでした!!

2021年11月29日月曜日

2021明治安田生命J2リーグ 第41節

021年11月28日(日)

2021明治安田生命J2リーグ 第41節

FC琉球 1 vs.    1 アルビレックス新潟

入場者数:3,361人(タピック県総ひやごんスタジアム)

今季も残り二試合。
今節は、アウェイでFC琉球と対戦します。
序盤は新潟も琉球も好調で昇格圏にいましたが、
どちらも失速してしまい中位になってしまいました。
新潟も琉球も、昇格も降格もない中での戦いですが、
お互い最後まで勝利目指して
熱い試合を見せてほしいと思います。

今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは阿部選手。
ディフェンスラインは、右から
長谷川選手、千葉選手、舞行龍選手、堀米選手。
ボランチは高選手、島田選手。
中盤は、右から谷口選手、高木選手、三戸選手。
ワントップは鈴木選手です。

いつもはボールを保持して攻撃を組み立てる琉球ですが、
今節は引いてじっくり構えてカウンターを狙います。
「新潟対策」として多くのチームが採用する戦術を前に、
新潟の真価が問われる一戦となりました。
新潟はいつもどおりボールを保持しながら、
隙をみて縦パスをいれて決定機を演出します。
相手ゴールキーパーのビッグセーブもあり、
なかなかゴールを割ることができない中、
前半35分、ディフェンスラインの裏抜けを許して失点。
今季、よく見てきたような展開で、
よく見る形で先制点を献上してしまった新潟。
どうしても「攻め続けながら得点を奪えず、
そうしているうちに裏抜けを許して失点する」
という流れを変えることができません。
しかし、その後もやることは変えずに
攻め続けるしかない新潟。
前半のうちに追いつくことはできず、
1-0での折り返しとなりました。

後半、新潟は長谷川選手に代えて藤原選手を投入。
すると自陣左サイドで相手のプレスをかわし、
右サイドの藤原選手にボールを回して
攻撃を組み立てる戦術が奏功し、
藤原選手は右サイドの上下運動を繰り返して
琉球ゴールに迫ります。
後半3分、藤原選手のクロスを中央で鈴木選手が左足であわせ、
さっそく同点に追いつきます。
その後も勝ち越し点を狙って攻め続ける新潟。
しかし、自陣サイドまで追いやられると
そこで琉球のプレスをうまくかわすことができず、
逆にボールを奪われてはピンチを招いてしまいます。
それでも前線に大きくボールを放り込むことはせず、
あくまでも自陣からの組み立てを徹底する新潟。
うまくプレスを剥がせたときは
素早く前線にボールを運んでチャンスを演出しますが、
最後のクロスの精度が精彩を欠いて得点を奪えません。
守備陣は最後まで琉球に勝ち越し点を許さず、試合終了。
今節は1-1でのドローとなりました。

攻め続ける中で得点を奪えず、その嫌な流れの中で先に失点し、
なんとか同点に追いつくもそこまで、という試合は
今季何度も見ているような気がします。
これで今季の引き分けは14試合目。
もどかしい試合が多くなっています。
序盤とは打って変わり、
複数得点がとれる試合も数えるほどになりました。
来季に向けて「大きく戦術を変えることはない」ということですが、
今のままでどのようにシーズンを通して
勝ち点を稼げるチームに変貌させていくのか。
もう来季に向けた戦いは始まっています。
次節はいよいよ最終節、ホームにFC町田ゼルビアを迎えます。
昇格がなくなっても、監督の退任が早々に決まっても、
それでも最後まで応援を続けてくれるサポーターのために、
勝利を目指して戦い抜いてほしいと思います。

追記1)
今節、三戸選手は前半から調子がよく、
何度も相手からボールを奪っては素早く前線へボールを運び、
チャンスを演出していました。
中盤の若い選手はえてして「守備が苦手」ということで
スタメンを勝ち取るのは難しく、
試合途中からリードを許した中での攻撃の切り札として
投入されることが多くなりがちですが、
最近の三戸選手はスタメン出場が多くなっており、
その要因として守備力が向上していることは
間違いなくありそうです。
守備というのはただ「ゴールを守る」ということではなく、
相手陣内でボールを奪えばそのままビッグチャンスになりますし、
自陣でボールを奪えばそれが攻撃の開始となります。
攻守一体であるサッカーでは、
守備力の向上はそのまま得点力の向上につながることでしょう。
今後も、三戸選手の成長が楽しみです。

追記2)
後述しますが、他会場の結果ですが
二位の京都は千葉相手に引き分けとなり、
その結果三位の甲府との勝ち点差が4となり、
一試合を残してJ1への昇格が決定しました。
京都の選手、スタッフ、サポーターの皆様、
おめでとうございました。
そして、首位の磐田は群馬相手に引き分け、
二位の京都との勝ち点差は5のままで、
今季のJ2リーグの優勝はジュビロ磐田で決まりました。
磐田の選手、スタッフ、サポーターの皆様、
昇格に続いてJ2リーグ優勝、おめでとうございます。
磐田と京都はいずれも安定した強さを誇っており、
どちらも今季の昇格クラブにふさわしいと思います。
来季、「J2昇格組」として
J1リーグで旋風を巻き起こしてほしいと思います。

追記3)
残留争いについてですが、
最下位の松本は相模原相手に
土壇場で引き分けに持ち込みましたが、
今節の結果をもって
絶対降格圏の20位以下が決まってしまいました。
そして、21位の愛媛も水戸相手に敗北し、
今節でJ3リーグ降格が決まっています。
20位の北九州は栃木相手に敗北し、
まだ絶対降格圏ではない19位になる可能性はありますが、
19位の相模原とは勝ち点差が3、得失点が9であり、
一試合でこれをひっくり返すのは厳しい状況となっています。
松本は言わずと知れたJ1リーグでも戦っていたクラブで、
サポーターの熱さも含めて
新潟と激戦を繰り広げてきたクラブです。
愛媛はJFLからJ2リーグへ昇格してきたクラブで、
なかなか新潟がホームで勝利を掴めなかったクラブです。
松本も愛媛も、J3リーグを経験するのは来季が初めてとなります。
北九州は、昨季はJ3リーグからの昇格組として躍動し、
終盤は少し失速しましたが5位でフィニッシュしたクラブです。
力をもっていると思われるクラブでも、
J3リーグへ降格してしまうことが起きてしまうリーグ。
それが「魔境」といわれるJ2リーグです。
新潟も、明日は我が身。来季はどうなるか、わかりません。
しっかり現実を見て、来季もJ2リーグを戦っていきましょう。


順位チーム勝点試合得失
1ジュビロ磐田884126105734132
2京都サンガF.C.834124116593128
3ヴァンフォーレ甲府794123108623527
4V・ファーレン長崎754122910674324
5FC町田ゼルビア6941191210623824
6アルビレックス新潟684118149613823
7モンテディオ山形65411981456488
8ジェフユナイテッド千葉6341161510453510
9FC琉球624117111355469
10ファジアーノ岡山594115141239336
11水戸ホーリーホック584116101556479
12東京ヴェルディ55411510165966-7
13ブラウブリッツ秋田47411114164051-11
14栃木SC45411015163649-13
15レノファ山口FC42411012193650-14
16ザスパクサツ群馬4141914183453-19
17ツエーゲン金沢40411010213960-21
18大宮アルディージャ3941815184855-7
19SC相模原3841814193351-18
20ギラヴァンツ北九州3541714203461-27
21愛媛FC3441713213766-29
22松本山雅FC3441713213569-34
首位の磐田の優勝、そして二位の京都の昇格が決まりました。
改めて、磐田と京都の関係者の方々、おめでとうございます。
三位の甲府は意地をみせて今節も山口相手に勝利し、
勝ち点を79まで伸ばしています。
昨季は、昇格組の徳島と福岡の勝ち点はいずれも84であり、
三位の長崎は80まで伸ばしましたが昇格は叶いませんでした。
今季の甲府は、次節に勝利しても勝ち点は82までとなります。
昇格を目指すためには、80ではなく
83以上の勝ち点が必要といえそうです。
一方、降格が決まってしまった松本と愛媛。
J3リーグでは宮崎が熊本相手に勝利し、
暫定的に首位に立っています。
宮崎が最終的に二位以内に入れば
19位のクラブは残留となる今季のJ2リーグ。
最終節まで「19位争い」を含めた残留争いは
持ち越されることになりました。