2023年4月24日月曜日

2023明治安田生命J1リーグ 第9節

023年4月23日(日)

2023明治安田生命J1リーグ 第9節

アルビレックス新潟 0 vs.    2 鹿島アントラーズ

入場者数:23,920人(デンカビッグスワンスタジアム)

厳しい冬も過ぎ去り、過ごしやすい日が続いています。
本日も新潟の空は晴れ渡り、
日陰では少し肌寒さを感じる風が吹き付けることもありますが、
行楽日和となりました。
今節はホームに鹿島アントラーズを迎えての一戦です。
強豪として知られる鹿島ですが、ここまでは調子が上がらず、
サポーターとの衝突も話題に上がっている状況です。
死に物狂いで勝利を掴もうとしてくるものと思われますが、
それはホームで勝ち点3が欲しい新潟にとっても同じこと。
意地と意地のぶつかりあいのゲームです。

今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは小島選手。
ディフェンスラインは、右から
新井選手、舞行龍選手、デン選手、田上選手。
ボランチは島田選手、高選手。
中盤は、右から太田選手、伊藤選手、三戸選手。
ワントップは谷口選手です。
先日に開催されたルヴァンカップと同様に、
ベンチメンバーとして高木選手が復帰しました。

前節、早い時間帯での先制および追加点を許した新潟。
開始直後から気を引き締めたいところでしたが、
前半3分、鹿島のクロスに対して小島選手が目測を誤り、
前に飛び出してしまったところを頭で合わせられて
いともたやすく先制点を献上してしまいます。
その後、ただでさえ硬い守備で知られる鹿島が
リードを奪ったことでより守備を固めて、
新潟の攻撃はことごとく寸断されて
攻撃を組み立てられません。
新潟の選手がパスを出した瞬間に受け手へのプレスが強く、
中途半端な位置でボールを失っては
カウンターでピンチを招く、という展開が続きます。
すると前半26分、ゴール前までボールを運ばれてしまい、
最後にはクロスをボレーで合わせられて追加点。
前節と同様に、前半のうちに2失点という
非常に大きなアドバンテージを与えてしまいます。
前半の終了間際にはようやくボールが回せるようになって、
シュートチャンスも生まれますが
なかなか枠内にボールを飛ばすことができず。
前半は0-2での折り返しとなりました。

後半、「前節の再現を」といったところでしたが、
鹿島の硬い守備としたたかなプレーは
反撃のきっかけすら与えてくれません。
高木選手、藤原選手、ネスカウ選手、松田選手が投入され、
なんとか反撃の糸口を掴みたいところでしたが、
シンプルな攻撃は完全に鹿島に読み取られて
決定機を演出することができません。
逆に何度か鹿島にビッグチャンスを作られますが、
小島選手を中心とした守備でそれ以上の得点は許しません。
時間だけが過ぎていくような感じで、
結局そのまま最後まで見せ場らしい見せ場を作れず終了。
今節は0-2での敗戦となりました。

まさに「完敗」といった感じで、
何もできなかった、させてもらえなかった、という表現が
正しいかもしれません。
今まで培ってきた自信が一気に崩れ去ってしまうような、
それほど大きな一敗になってしまったのではないかと思います。
とはいえ、下を向いている時間はありません。
今はとにかく、自分たちがこれまでやってきたことを信じて
戦い抜いていくしかないでしょう。
次節は4月29日(土)、アウェイでFC東京と対戦します。
今の新潟のベースを築き上げた
アルベル監督が率いるFC東京との一戦。
まさに、今の新潟の対戦相手としてふさわしいのではないでしょうか。
次の試合でアルベル監督の目の前で成長を見せつけつつ、
自信を深めていきたいところです。

追記1)
「新潟がホームで無得点の試合は久しぶり」という感じがあり、
調べてみたところ昨季の第34節、大分戦以来ということでした。
昨季の2020年シーズンは、
なんとホームで無得点だったのはその1試合だけ。
アウェイで無得点だったのは5試合ありましたが、
ホームでは得点を奪えるのがほぼ当たり前の状況だった、といえます。
しかし、J1で戦いとなった今季は明らかに得点力も低く、
そして何より失点が大幅に増えています。
昨季は相手の深い陣内でボールを奪っては得点につなげていた新潟。
うまく相手の得点チャンスを潰しつつ、
自分たちの得点の機会を増やすことができていましたが、
今季は相手陣内でボールを奪える機会が少なく、
逆に相手陣内でパスを引っ掛けてボールをロストしては
カウンターからピンチを招くことが多くなっています。
そこがJ2とJ1の大きな違いといえるでしょう。
結果として、得点は少なく、失点は多くなってしまっています。
一言でいえば「J1の強度に慣れる」ということですが、
なかなかそれを取得するのは難しいもの。
とはいえ、新潟の選手たちのJ1での戦いをみると、
その成長に期待してしまう部分もあります。
一試合一試合をしっかり成長の糧として、
選手たちには強く逞しくなってほしいと思います。

アルビレックスRC協力のもと開催された、
小学生以下の方向けのバッテリー車運転イベント。
鹿島のサポーターの方も多く並ばれていました。
自分で操縦できる車は子供たちに大人気です。
後ろには同じく子供たちに大人気の「キングアルビくん」です。
今季から、雨天でも楽しめるような配置になっています。

青空のもと、多くのサポーターが
スタジアムに駆けつけました。
最近は、新規のサポーターの方も増えてきた印象です。

鹿島のサポーターは試合開始前からずっと歌い続け、
選手たちを鼓舞していました。
苦しい状況だからこそ支えてくれるサポーターの存在は
クラブにとって貴重です。

除雪車もスタジアムに集まりました。
最近は除雪車を運転できる方が不足しており、
雪国である新潟にとっては大きな課題となっています。


2023明治安田生命J1リーグ順位表 (4月23日終了時点)
順位チーム勝点試合得失
1ヴィッセル神戸19961219613
2名古屋グランパス1895311257
3横浜F・マリノス17952217107
4浦和レッズ1795221385
5サンフレッチェ広島1795221275
6アビスパ福岡15943212102
7セレッソ大阪14942313121
8FC東京12933311101
9京都サンガF.C.12940513130
10アルビレックス新潟1293331214-2
11湘南ベルマーレ11925218144
12サガン鳥栖119324913-4
13鹿島アントラーズ1093151113-2
14北海道コンサドーレ札幌1092431619-3
15川崎フロンターレ992341013-3
16ガンバ大阪791441118-7
17柏レイソル69135513-8
18横浜FC39036723-16
首位神戸は横浜FM相手にホームで2点を先行しながら
逆転負けを喫してしまいました。
二位の名古屋は引き分け、広島はFC東京相手に敗北し、
浦和も川崎相手に引き分けと、
上位陣があまり勝ち点を伸ばせなかった状況で
神戸の首位は変わりません。
下位では、ガンバと横浜FCの一戦は1-1の痛み分け。
どのチームもいいときもありますが、悪いときもあります。
大事なのは、悪いときに反省すべき点は反省しつつも
引きずりすぎずにいかに次の試合に臨めるかでしょう。
引き続き、目の前の試合に向けて準備を進めていくのみ、です。

2023年4月17日月曜日

2023明治安田生命J1リーグ 第8節

023年4月15日(土)

2023明治安田生命J1リーグ 第8節

アルビレックス新潟 3 vs.    2 アビスパ福岡

入場者数:16,692人(デンカビッグスワンスタジアム)

強い風が吹きつつも、暖かい日が増えてきました。
今日の新潟の空も、青空が広がりました。
今節はホームにアビスパ福岡を迎えての一戦です。
福岡は2021年にJ1に復帰すると、
J2時代に培った強固な守備をベースに
J1でも着実に勝ち点を獲得し、
今季も前節終了時点で3位と、好調を維持しています。
新潟もJ2時代の福岡にはなかなか勝てず、
苦戦を強いられていたチームの一つです。
いち早くJ1の舞台へ戻って活躍している福岡に対して、
新潟の成長を見せつけたい一戦です。

今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは小島選手。
ディフェンスラインは、右から
藤原選手、舞行龍選手、デン選手、堀米選手。
ボランチは秋山選手、高選手。
中盤は、右からダニーロ選手、伊藤選手、太田選手。
ワントップは鈴木選手です。

硬い守備を誇る福岡に対して、
なんとか早いうちに先制点を奪いたい新潟。
しかし、そんな新潟の考えを手玉にとり、
福岡は効率的なプレスで新潟のパス回しを分断し、
自陣への侵入を許しません。
一方、新潟の攻守の切り替えも早く、
福岡からボールを奪って決定機を作らせませんが、
福岡も攻守のスイッチの切り替えが早く、
なかなか福岡陣内へ攻め込むことができません。
お互いシュートを1本も打てないまま時間が過ぎていく中、
前半17分、新潟のペナルティエリア内へ侵入した福岡の選手を
堀米選手が足を引っ掛けて倒してしまい、
これがPKの判定となります。
ボールの方向に飛んだ小島選手ですが
シュートは小島選手の手を避けてゴールに突き刺さり、
福岡に痛い先制点を献上してしまいます。
その後も、更に守備を固める福岡を前に
なかなかシュートが打てない新潟。
すると前半32分、コーナーキックから福岡に追加点を献上。
福岡が数少ないチャンスを確実に得点につなげるのに対し、
チャンスすら作ることを許されない新潟。
しかし、前半35分過ぎ位から
ようやくパス回しにテンポが出るようになり、
太田選手が初シュートを放つも、
相手ゴールキーパーのビッグセーブにあい、ゴールとはならず。
前半は0-2での折り返しとなりました。

後半、開始直後から「アイシテルニイガタ」の熱唱が始まり、
選手たちを鼓舞する新潟サポーター。
それに呼応するように新潟は前への意識が高まり、
後半開始直後に福岡のペナルティエリア脇で
フリーキックを獲得します。
キッカーは伊藤選手。
キーパーにも壁の選手にもファーに蹴ると見せかけて、
蹴った瞬間に壁の選手が横に動いた部分をすり抜けて、
ニアを狙いすましたシュートが突き刺さり、
伊藤選手の美しいフリーキックで後半開始早々に1点を返します。
サポーターの声量はより大きくなり、おせおせムードの新潟。
福岡の選手はより守備の意識が高くなって引くようになり、
新潟がボールを保持する時間が長くなり、
何度も福岡陣内へ侵入してチャンスを演出します。
それでも、福岡の粘り強い守備を前に得点が奪えない新潟。
そして、ついに試合は後半アディショナルタイムへ。
アディショナルタイム3分、
自陣からデン選手の見事な縦パスが伊藤選手に渡り、
伊藤選手は一度谷口選手へ預けると
華麗なワンツーでボールは再び伊藤選手のもとへ。
これを伊藤選手が右足を振り切ってゴール隅へ突き刺し、
土壇場で新潟が同点に追いつきます。
歓喜に沸くスタジアム。肩を落とす福岡の選手たち。
新潟の選手たちはすぐさまセンターサークルへボールを運び、
もう1点を狙いに行きます。
そしてすぐさま福岡からボールを奪うと、
アディショナルタイム5分、
途中出場の松田選手が右サイドを迷うことなく駆け抜けて
中央へクロス。
谷口選手と相手選手が交錯してこぼれたボールは
伊藤選手の元へ。
これを伊藤選手がダイレクトで豪快に蹴り込み、
なんと後半アディショナルタイムに新潟が逆転に成功します。
そして試合終了。
今節は3-2での勝利となりました。

2点を先行され、完全に押し込まれた前半でしたが、
試合の最後にドラマが待っていました。
堅守を誇る福岡に2点を先行されつつも逆転することができたのは、
大きな自信となることでしょう。
しかし、本来は前半のような試合をしてはいけません。
試合終了後の松橋監督の言葉は、
負けた試合よりも厳しいような印象でした。
「勝って兜の緒を締めよ」とは、まさにこのこと。
勝利を喜びつつも、反省すべき点は反省しつつ、
次の試合へと進んでいきましょう。

次節は4月23日(日)、ホームで鹿島アントラーズとの一戦です。
次もホームで戦えるので、そのアドバンテージを活かして
勝ち点を積み上げていきましょう。

追記1)
今季、世間に非常に注目されている伊藤選手。
本人は「やっていることはJ2のときと同じだが、
J1だから注目されるだけ」と言いますが、
昨年よりプレーに磨きがかかり、
楽しそうにやっている印象があります。
伊藤選手は自他ともに認める、「相手が強い方が燃えるタイプ」。
屈強な選手が揃うJ1の舞台で、より成長しているものと思います。
そしてついに、ハットトリックという異形を達成しました。
後半だけ、特に後半アディショナルタイムの2発でのハットトリックは
Jリーグ史上初ということです。
これを受けて、さっそく巷では
「早く海外へ」「ぜひ代表に」との声も聞かれますが、
伊藤選手は前と変わらずに「新潟でタイトルをとりたい」とのこと。
今季、新潟がJ1の舞台へ戻ってきて、
多くのサポーターが「まずは残留」と思っていた中、
伊藤選手は当初より「タイトルを取りにいく」と言っていました。
そして同点では満足せず、強い意志をもって逆転ゴールを狙いにいき、
見事に有言実行した伊藤選手。カッコ良過ぎますね!
伊藤選手にはいつかは海外で、
日本代表で活躍してほしいとは思いますが、
まずは新潟にタイトルをもたらすべく躍動してほしいと思います。

ビッグフラッグがついに解禁となりました!
コロナ禍前に完全に戻るまで、あともう少しです。

遠い福岡の地からも、多くのサポーターの方が
駆けつけてくれました。


2023明治安田生命J1リーグ順位表 (4月15日終了時点)
順位チーム勝点試合得失
1ヴィッセル神戸19861117314
2名古屋グランパス1785211037
3サンフレッチェ広島1785211156
3浦和レッズ1685121275
5横浜F・マリノス1484221486
6アビスパ福岡1484221082
7京都サンガF.C.12840411101
8アルビレックス新潟12833212120
9セレッソ大阪11832312120
10湘南ベルマーレ10824216124
11FC東京98233990
12北海道コンサドーレ札幌982331417-3
13川崎フロンターレ88224912-3
14サガン鳥栖88224611-5
15鹿島アントラーズ78215913-4
16ガンバ大阪681341017-7
17柏レイソル68134512-7
18横浜FC28026622-16
神戸、名古屋、広島が今節すべて勝利。順調に勝ち点を伸ばしています。
近年、ほぼ2チームだけで優勝を争っていた横浜FMと川崎は
今季どちらもなかなか波に乗れず。
特に川崎はここまで2勝と、近年の成績を思うと
信じられない状況となっています。
下位の方では、横浜FCは依然として勝利がなく、苦しんでいます。
天国と地獄が隣り合わせのような、
J2から昇格してきたチームがすぐJ1優勝したり、
優勝したと思ったらJ2へ降格してしまうようなことが起こりうるリーグ。
それがJ1リーグです。
勝ちやすい相手もいなければ、絶対に勝てない相手もいません。
引き続き、目の前の試合に集中して勝利を掴み取るのみ、です。