2021年4月26日月曜日

2021明治安田生命J2リーグ 第10節

021年4月24日(土)

2021明治安田生命J2リーグ 第10節

愛媛FC 0 vs.    2 アルビレックス新潟

入場者数:1,491人(ニンジニアスタジアム)

前節のアウェイ戦に続き、
中2日でまた迎えるアウェイゲーム。
今節は、愛媛FCとの対戦となります。
厳しい日程の中での戦いとなりますが、
前節の土壇場での勝ち点1を無駄にしないためにも、
今節も勝利が求められる一戦です。

今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは阿部選手。
ディフェンスラインは、右から
藤原選手、早川選手、千葉選手、堀米選手。
ボランチは、高選手、ゴンサロ選手。
中盤は、右から星選手、高木選手、本間選手。
ワントップは谷口選手です。
連戦の中、前節から3人のメンバーを変更しました。

試合は、お互いポゼッションサッカーを
志向するチーム同士の一戦。
どちらが優位にボールを保持するかが勝負の一端ですが、
序盤は新潟に軍配が上がりました。
効果的なパス回しを駆使し、
ほとんど愛媛の選手にボールを触らせません。
そして前半12分、本間選手の鋭いファーへの展開から
星選手が中央にクロスをあげて、
これを谷口選手が頭で合わせてゴール。
今節も10試合連続となる先制点で
新潟がリードを奪います。
谷口選手は、これが新潟初ゴール、
J2初ゴールとなりました。
その後も圧倒的なポゼッション率で
追加点を狙う新潟。
何度も追加点のチャンスを得ますが、
最後のところで精度の問題や愛媛の必死の守備に阻まれ、
なかなか追加点を奪うことができません。
前半はそのまま、1-0での折り返しとなりました。

後半、愛媛は選手交代を駆使して反撃に出ます。
すると新潟は前半ほど圧倒することができなくなり、
徐々に愛媛がシュートを打つ時間帯も増えてきます。
後半も追加点を奪うチャンスがありながら
なかなかモノにできない新潟。
後半84分、交代出場の三戸選手が
今節2枚目のイエローカードで退場となってしまいます。
1人少なくなった新潟は守りに入るかと思われましたが、
変わらずボールを保持し続けるサッカーを展開します。
そして後半88分、千葉選手のフィードから
本間選手がうまく愛媛のディフェンスラインの裏に抜け出し、
シュートを沈めて待望の追加点を奪います。
その後も愛媛にボール保持を許さず、試合終了。
今節は2-0での勝利となりました。

一人退場者を出しながら、追加点をあげて勝ち切った新潟。
この勝利はとてつもなく大きい意味がありそうです。
試合後の監督の言葉によれば、
同じく退場者を出した長崎戦は退場後に
守勢に入ってしまったことを悔やんでいたそうです。
今節は、退場者を出しつつも
自分たちでボールを保持し続けて勝利を掴んだ新潟。
また一つ、チームが成長した証とみて
よいのではないでしょうか。

次節は5月1日(土)、ホームで
ジェフユナイテッド千葉と対戦します。
アウェイ連戦を終え、ようやくチームは新潟に帰ってきます。
次はホームで多くのサポーターの元、
日に日に自信を増すポゼッションサッカーで
勝利を目指してほしいと思います。

追記1)
昨季、J3リーグのロアッソ熊本で得点王となり、
鳴り物入りで加入した谷口選手。
ここまでチャンスがありながら決め切ることができず、
好調なチームにありながら個人的には
悔しいシーズンを送っていたことでしょう。
今節、待望の初ゴールを奪うことができました。
フォワードは、点を取ることで勢いが乗ってくるもの。
今後、谷口選手の爆発に大いに期待したいと思います。

追記2)
今節、初の退場となった三戸選手。
試合終了後、その目は真っ赤に腫れていました。
退場後、一旦ロッカールームに引き下がり、
またフィールドに戻ってきたところ大歓声が聞こえて、
それが本間至恩選手のゴールとわかると
一気に涙が溢れてしまったそうです。
昨季、今季と二度の退場を経験している
「退場の先輩」でもある本間選手の
勝利を手繰り寄せるゴール。
退場者の気持ちがわかる本間選手による、
心が救われる非常に心強い一撃は、
三戸選手の魂を大いに奮わせたようです。
三戸選手は、高木選手曰く、
「高木選手と本間選手の長所を足したような存在」。
高木選手のようなパスの引き出し力、展開力に加え、
本間選手のようなドリブル力を兼ね備えた三戸選手は、
今後の成長が大きく期待される若者の一人です。
退場は決してよいことではありませんが、
今節の経験は今後の成長に
大きく影響を及ぼすのではないでしょうか。
試合終了後、千葉選手の提案で
なぜかサポーターの前で胴上げされた三戸選手。
次は、試合で活躍して三戸選手が
胴上げされる日がくることを楽しみにしています。


順位チーム勝点試合得失
1アルビレックス新潟261082026719
2FC琉球25108111569
3京都サンガF.C.221071220812
4ジュビロ磐田181060419163
5FC町田ゼルビア17105231495
6ツエーゲン金沢171052313103
7ヴァンフォーレ甲府151043313103
8ブラウブリッツ秋田1510433981
9V・ファーレン長崎14104241217-5
10栃木SC1310343910-1
11水戸ホーリーホック121040614131
12ファジアーノ岡山1210334770
13ジェフユナイテッド千葉121033479-2
14東京ヴェルディ11103251322-9
15モンテディオ山形1010244710-3
16SC相模原1010244711-4
17松本山雅FC10102441016-6
18ザスパクサツ群馬1010316713-6
19愛媛FC9102351015-5
20レノファ山口FC910235611-5
21大宮アルディージャ8102261012-2
22ギラヴァンツ北九州810154816-8
二位の琉球は今節は甲府相手に勝利。
三位の京都は今節も勝利し、5連勝です。
一方、同じく4連勝中だった磐田は山形相手に敗北。
監督交代に踏み切った山形にしてみれば、嬉しい勝利です。
今シーズンの低迷について公式の声明を出した松本。
今節は一丸となって勝利を掴み、降格圏を脱出しました。
町田は前節の琉球に続いて大宮にも勝利し、3連勝。
翻って、同じJ1経験クラブの大宮が降格圏に沈んでいます。
天国と地獄が隣り合っているようなJ2リーグ。
とにかく、目の前の一戦にのみ集中して
勝ち続けていくしかありません。

2021年4月23日金曜日

2021明治安田生命J2リーグ 第9節

021年4月21日(水)

2021明治安田生命J2リーグ 第9節

栃木SC 2 vs.    2 アルビレックス新潟

入場者数:2,951人(カンセキスタジアムとちぎ)

中3日で迎える平日のナイターゲーム。
今節はアウェイで栃木SCと対戦します。
元新潟の選手である矢野選手、柳選手を擁し、
激しいプレスで相手を追い詰める強敵です。
新潟が志向するサッカーの天敵といっていい相手。
逆に言えば、このようなチーム相手にも
今の戦術が通用すれば一歩前へ進めるでしょう。

今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは阿部選手。
ディフェンスラインは、右から
藤原選手、舞行龍選手、千葉選手、堀米選手。
ボランチは高選手、島田選手。
中盤は、右から矢村選手、高木選手、本間選手。
ワントップは、谷口選手です。
鈴木選手も負傷のようですが、
前節の試合で負傷したロメロ選手の代わりに
前節決勝点をあげた矢村選手が入りました。

試合は大方の予想通り、新潟がボールを保持し、
栃木はそれに対して
激しいプレスをかけてくる展開となります。
栃木はボールを奪ったら
すぐ前線の矢野選手めがけてフィード。
矢野選手はこれを収めて攻撃の起点となります。
水も撒かれなかった芝は乾燥していてボールが走らず、
効果的なパス回しが展開できません。
それでも前半8分、右サイドからの
高木選手の低い弾道のクロスを
中央の矢村選手がオーバーヘッドキック。
ボールは見事に栃木のゴールネットに突き刺さり、
新潟が矢村選手のスーパープレーで
今節も先制点を奪います。
その後、プレスを強めてくる栃木をかわして
追加点を狙いたいところでしたが、
前半24分、コーナーキックから失点。同点とされます。
相模原戦と同様で、重苦しい流れとなります。
その後もプレスを緩めない栃木に苦しめられる新潟。
前半は何とか耐え凌ぎ、1-1で折り返しとなります。

後半も疲れをみせずプレスをかけ続ける栃木。
新潟はパスカットされるシーンも多く、
ピンチを招きます。
そして後半56分、シュートのこぼれ球を詰められて
栃木に逆転を許します。
さらに守備を固めて勝利を目指す栃木。
新潟はようやくパスが回るようになって
栃木のゴールを脅かしますが、ゴールが奪えません。
配色濃厚となっていた中、
チームを救ったのは千葉選手でした。
後半アディショナルタイム、
コーナーキックをヘディングで突き刺し、
土壇場で同点に追いつきます。
そして、タイムアップ。
白熱した試合は、2-2での引き分けとなりました。

90分を通してプレスをかけ続けてきた栃木に
非常に苦しめられましたが、
勝ち点1を拾うことができました。
勝利できなかったことは残念ですが、
この勝ち点1は非常に大きいと思います。
次節は中2日で、4月24日(土)、
アウェイで愛媛FCと対戦します。
次のホームゲームは、5月1日(土)、
ジェフユナイテッド千葉と対戦します。
試合間隔が短い苦しいスケジュールですが、
総力戦で乗り切っていきましょう。

追記1)
アルベルト監督は、試合終了後に
審判がなかなかファールをとらなかったことに対して
苦言を呈していました。
試合終了後の堀米選手の手には
スパイクの裏のような跡があったり、
なかなか激しい競り合いがありながらも
審判はあまりファールをとらなかったようです。
確かに、激しい競り合いと相手を傷つける汚いプレーは
分ける必要がありますが、
簡単な競り合いでファールをとられると
試合の面白さが半減してしまい、
難しいところです。
選手の安全を守るのも監督の役割であり、
監督としては黙っていられなかったのでしょう。
お互いタイトなスケジュールの中、
負傷には本当に気をつけてほしいと思います。

追記2)
先制点は矢村選手のオーバーヘッドでした。
試合終了後、さっそく色々なメディアで取り上げられ、
「今季のベストゴールが決まった」などと
持ち上げられていました。
矢村選手はアクロバットなシュートは好きで
よく練習していたそうです。
真似したい子供たちも多くなるような、
見事なオーバーヘッドキックでした。
(オーバーヘッドキックの練習は
首や腕を痛めたりして危ないので、
しっかり順番にステップを踏んでやってくださいね。)

追記3)
栃木のスタジアム周辺の駐車場では、
駐車券を紛失したサポーターがいたりして
出庫時に大渋滞が発生してしまったそうです。
救いの手を差し伸べたのは、お互いのサポーターでした。
新潟のサポーターと栃木のサポーターが協力して
車の誘導に対応した、ということです。
試合終了後にお互いのサポーターが手を組んで
不測の事態に立ち向かったことは、大変嬉しく思います。
スポーツはこうであってほしい、と思います。
(このような事態が起こらないように、
対策を考えていかなければならないとも思いますが…)


順位チーム勝点試合得失
1アルビレックス新潟23972024717
2FC琉球2297111468
3京都サンガF.C.19961218810
4ジュビロ磐田18960319154
5ツエーゲン金沢1695131293
6ヴァンフォーレ甲府1594321394
7FC町田ゼルビア1494231394
8V・ファーレン長崎1394141116-5
9水戸ホーリーホック12940514122
10ブラウブリッツ秋田129333880
11栃木SC12933389-1
12ジェフユナイテッド千葉12933378-1
13ザスパクサツ群馬109315712-5
14東京ヴェルディ1093151221-9
15ファジアーノ岡山9923467-1
16愛媛FC992341013-3
17レノファ山口FC9923469-3
18大宮アルディージャ892251011-1
19ギラヴァンツ北九州89153815-7
20モンテディオ山形79144610-4
21SC相模原79144611-5
22松本山雅FC79144916-7
琉球が町田相手に敗戦。無敗チームは新潟のみとなりました。
京都、磐田はともに4連勝で、じわりじわりと浮上しています。
一方、下位に沈む山形は監督交代へと踏み切りました。
次節の新潟の対戦相手である愛媛も、すでに監督交代を選んでいます。
山形と同じくJ1経験クラブである松本も、
非常に苦しいシーズンの戦いとなっています。
群雄割拠する戦国リーグのJ2リーグ。
どこが昇格してどこが降格しても全く不思議ではない、
面白くもあり恐ろしくもあるリーグです。