2023年8月28日月曜日

2023明治安田生命J1リーグ 第25節

023年8月25日(土)

2023明治安田生命J1リーグ 第25節

鹿島アントラーズ 2 vs.    0 アルビレックス新潟

入場者数:18,895人(県立カシマサッカースタジアム

今季今まで連勝のない新潟。
前節、福岡相手に勝利を掴み、
今季7度目の「連勝のチャンス」を手に迎える
鹿島アントラーズとのアウェイゲームです。
鹿島は早々に先制点を奪い、
硬い守備をベースに自分たちのペースで
試合を進めるのが得意なチーム。
先制点の重要性がより増す試合です。

今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは小島選手。
ディフェンスラインは、右から
藤原選手、舞行龍選手、デン選手、堀米選手。
ボランチは島田選手、高選手。
サイドハーフは右に長谷川選手、左に三戸選手。
トップ下に高木選手が入り、
ワントップは長倉選手です。

前半戦の鹿島との戦いでは開始早々に先制点を奪われ、
その後はただ時間が過ぎていくだけといったような展開で
なすすべなく敗れた新潟。
今節こそ開始から攻勢を強めていく方針だったはずですが、
圧力の強い鹿島のプレスを前に
自陣からビルドアップを行うことができず。
前線へのロングフィードなども繰り出すことができず、
自陣でボールを失ってはピンチを招きます。
守備が綻ぶのも時間の問題と思われていた中、
前半9分、クロスからいともたやすく失点。
その後も鹿島のプレスを前にボールを運べない新潟。
勢いそのままに、30分、再びクロスから失点。
前半はただ一方的にやられるだけのような形で終了。
2-0での折り返しとなりました。

後半も特にメンバーは変更せずに戦う新潟。
2点のリードを奪った鹿島は前線からのプレスを少し緩めて、
自陣でがっちり構えて新潟にボールを持たせます。
新潟はボールを保持できるようになりますが、
硬い鹿島の守備を前に決定的な場面を作ることができません。
長谷川選手、長倉選手、島田選手に代えて
松田選手、鈴木選手、秋山選手を投入してからは、
前線でボールを保持することができるようになって
シュートチャンスを作ることができるようになりますが、
鹿島のゴールネットを揺らすことはできません。
鹿島の硬い守備を前に得点を奪える気配すらなく、
そのまま試合終了。
今節は2-0での完敗でした。

「開始早々に失点し、少し前がかりになったところを
突かれて追加点を奪われ、守備を固められて得点を奪えず終了」
という、警戒していたはずの
一番やってはいけない展開になってしまいました。
「これだけ完璧にやられたのは前半戦の鹿島戦以来」
という言葉がぴったりの、
強かな鹿島相手に完全に
相手のペースにはまってしまったゲームでした。
球際での競り合いも負けることが多く、
セカンドボールへの反応も鹿島の選手の方が早く、
まるで大人と子供の試合をみているような印象でした。
個人としては当然のこと、
組織としても何枚も鹿島の方が上という事実を
見せつけられたような感じです。
今季、何とか残留を達成することができたとしても、
来年のJ1でも鹿島との戦いはあります。
この壁を越えることができなれば、
「新潟にタイトルを」などという言葉は夢物語となります。
完膚なきまでに打ちのめされたこのゲームを糧に、
次の鹿島との戦いでどのようにして勝利を目指していくのか。
クラブの総力が試されています。

追記1)
クロスからの失点が多い新潟に対して、
クロスからの得点が多い鹿島。
そのデータ通り、鹿島の選手は
サイドを突破した際は確実に正確なクロスをあげて、
中央では新潟の選手の数が揃っていても
鹿島のヘディングシュートを防ぐことができないような
シーンが散見されました。
「新潟はクロスからの失点が多い」という弱点は、
「新潟はクロスからの得点が少ない」ということと
決して別々の問題ではないような気がします。
鹿島には正確にクロスをあげられる選手がいて、
そしてどんなに相手に囲まれていても
それを頭で合わせられる選手がいるので、
練習でも強度の高い練習ができているものと思います。
一方、新潟には正確にクロスをあげられる選手がおらず、
またクロスに合わせられる選手もいないので、
どうしても練習の強度は弱くなってしまうのではないでしょうか。
結果として、「クロスに弱い新潟」ができあがってしまっています。
華麗なパスワークを武器にJ2優勝を達成した新潟ですが、
J2時代からクロスからの失点は多く、クロスからの得点も少なく、
新潟にとっての弱点とは言われ続けてきました。
J1にあがってもその弱点はなかなか克服できず、
むしろ鹿島のような強度の強い相手を前に
その弱点がより顕著になっているような印象です。
この弱点をそのままにして来季に臨むことはできないでしょう。
自分たちが今まで築き上げてきたのが一気に崩壊するような、
非常に悔しい敗戦になってしまいましたが、
これすら成長の糧にして、前へ進んでほしいと思います。


2023明治安田生命J1リーグ順位表 (8月26日終了時点)
順位チーム勝点試合得失
1横浜F・マリノス50251555493019
2ヴィッセル神戸49251474462224
3名古屋グランパス4525136633249
4浦和レッズ44251285301911
5鹿島アントラーズ42251267352213
6セレッソ大阪4225133935269
7サンフレッチェ広島3825115929254
8アビスパ福岡3525105102429-5
9川崎フロンターレ3325961034331
10FC東京332596103235-3
11ガンバ大阪332596103542-7
12サガン鳥栖3125871032311
13北海道コンサドーレ札幌292578104449-5
14京都サンガF.C.292592142934-5
15アルビレックス新潟282577112534-9
16横浜FC212556142145-24
17柏レイソル2025311112135-14
18湘南ベルマーレ172538143049-19
首位の横浜FMは苦手とするアウェイでの横浜FC戦に、1-4の完敗。
神戸はFC東京相手に
後半アディショナルタイム弾による「劇的引き分け」に持ち込み、
辛くも勝ち点1を掴み取りました。
3位の名古屋はセレッソ相手に敗北。
上位との差を縮めることはできませんでした。
下位の方では、新潟が15位に順位を下げています。
最下位の湘南は浦和相手に敗北し、
柏は広島相手に勝ち点1を搾り取り、湘南と柏の勝ち点差は3です。
新潟の16位との勝ち点差は7で、最下位湘南との勝ち点差は11。
今季は降格クラブが1つだけなので、今までとは少し違いますが、
J1での15位はぎりぎり残留が決まる順位であり、
以前J1に所属していた際の新潟は、
どれだけ「15位」に助けられたかわかりません。
毎年残留争いの中心だった前回の新潟のJ1生活でしたが、
這い上がってきた今回は、上位を目指して戦える集団になりたいです。

2023年8月21日月曜日

2023明治安田生命J1リーグ 第24節

023年8月18日(金)

2023明治安田生命J1リーグ 第24節

アビスパ福岡 0 vs.    1 アルビレックス新潟

入場者数:7,705人(ベスト電器スタジアム

今節は、アウェイでのフライデーナイトJリーグ。
アビスパ福岡との対戦です。
前節は「劇的な引き分け」で
湘南に勝ち点を安易と与えることなく、
自身もしぶとく勝ち点1を獲得した新潟。
今節こそ前半早々の「安い」失点は回避して、
先制点をあげて試合を優位に進めたいところです。

今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-2。
ゴールキーパーは小島選手。
ディフェンスラインは、右から
藤原選手、舞行龍選手、渡邊選手、新井選手。
ボランチは秋山選手、島田選手。
サイドハーフは右に長谷川選手、左に三戸選手。
ツートップは鈴木選手と長倉選手です。
長倉選手は早くも新潟での初スタメンとなりました。

細かなパスワークを得意とする新潟と、
硬い守備をベースにカウンターやセットプレーでの
「必殺の一撃」を得意とする福岡。
直近の試合と同様に、
新潟がボールを保持する時間が長くなり、
福岡はがっちり守備を固めて反撃に備えます。
このような場合、ボールの失い方にはより注意が必要ですが、
新潟はしっかりシュートまでつなげて攻め切って、
相手陣内でボールをロストした際には
攻守の切り替えが素早く、ボールを奪い返しては
すぐさま次の攻撃に移ることができています。
そして前半19分、
左サイド深い位置でボールを回収した島田選手が
その得意の左足で高速のグラウンダークロスをあげると、
中央へ走り込んだ長谷川選手の足に当たったボールは
福岡の選手に当たってそのままゴールに吸い込まれました。
オウンゴールという形にはなりましたが、
島田選手のクロスと長谷川選手の見事な走り込みで
新潟が久しぶりの先制点奪取に成功します。
得点を奪ったあとはより集中が必要な時間帯ですが、
新潟の選手たちは集中して守って
福岡に決定的なシーンを作らせません。
前半は0-1での折り返しとなりました。

後半も開始時はメンバーはそのまま、
リードを守りながら追加点を狙う新潟。
ボールをしっかり保持しながら攻撃を組み立てて、
得点を狙いつつ相手陣内でゲームを進めていきます。
暑さとの戦いの中、お互いに消耗が激しく、
新潟は久しぶりの出場となった舞行龍選手が奮闘しますが
足を攣ってしまい、デン選手と交代したり、
5人の交代枠をフルに活かして
総力で勝利を掴みにいきます。
終盤、福岡の圧力が増して
ゴール前を脅かされますが、
危ない場面ははっきりとしたクリアで
決定機となってしまうことを未然に防ぎます。
最後までしびれる展開が続きましたが、
なんとかそのままタイムアップ。
今節は0-1での勝利となりました。

堅守を誇る福岡相手に前半のうちに先制し、
そのまま逃げ切るという展開に持ち込むことできました。
追加点を奪えそうなチャンスもあっただけに
追加点をとることができれば
もう少し楽にゲームを進めることができたものと思われますが、
そのようなことが簡単にできるようなリーグではありません。
それは引き続きの課題としてしっかりと認識しつつ、
一試合一試合での勝利を目指して戦いぬいていきましょう。

次節は8月26日(土)、再びアウェイで
鹿島アントラーズと対戦します。
前半のホームでの戦いでは前半早々に先制点を許し、
なすすべなく完敗した鹿島との戦い。
次節も先制点の重要性がより大きい苦しいゲームですが、
ここで勝利を重ねることができれば
チームとしても大きな自信につながるものと思います。
今季初の連勝を目指して、戦っていきましょう。

追記1)
試合終了後の監督インタビューにおいて、
決勝点となったオウンゴールについて、
松橋監督からは「あれは長谷川のゴールです。」という
強い言葉が聞かれました。
確かに、結果的にはオウンゴールになりましたが
それは長谷川選手がそこまで走り込んだからであって、
ほぼ長谷川選手のゴールといっても過言ではないと思います。
それを試合終了後の監督インタビューで、
全員に知れ渡るように強く言い放った松橋監督。
ますます「理想の上司ランキング」で
上位に進出しそうです笑
他チームにすぐさま引き抜かれるような
突出した実力をもつ選手はいないかもしれませんが、
戯言ではなく本当に「全員が戦力」で、
毎試合先発メンバーを代えつつ、
毎回交代枠をフルに活かして勝利を目指す新潟。
松橋監督の信頼のもと、「全員で勝利を目指す」チームが
築かれているものと思います。


2023明治安田生命J1リーグ順位表 (8月20日終了時点)
順位チーム勝点試合得失
1横浜F・マリノス50241554482622
2ヴィッセル神戸48241464442024
3名古屋グランパス45241365322111
4浦和レッズ41241185291910
5鹿島アントラーズ39241167332211
6セレッソ大阪3924123932257
7サンフレッチェ広島3724114929254
8アビスパ福岡352410592427-3
9川崎フロンターレ3224951032311
10FC東京322495103033-3
11ガンバ大阪322495103441-7
12サガン鳥栖3024861031301
13北海道コンサドーレ札幌282477104247-5
14アルビレックス新潟282477102532-7
15京都サンガF.C.262482142734-7
16柏レイソル1924310112135-14
17横浜FC182446141744-27
18湘南ベルマーレ172438133048-18
前節首位に立った神戸は「苦手」柏相手に引き分けたのに対し、
横浜FMはFC東京にしっかり勝って再び首位に浮上しました。
三位の名古屋は浦和との大一番に敗北し、
首位との差が少し開いてしまいました。
下位の方では、柏は引き分け、横浜FCと湘南はいずれも敗北と、
やはり3チームとも同じような結果で勝ち点を大きく伸ばせず。
最下位は変わらず湘南となっています。
一勝で状況は大きく変わりますが、その一勝が難しいのがJリーグ。
残りあと10試合。最後まで集中あるのみです。