2021年10月25日月曜日

2021明治安田生命J2リーグ 第35節

021年10月23日(土)

2021明治安田生命J2リーグ 第35節

アルビレックス新潟 1 vs.    2 ブラウブリッツ秋田

入場者数:8,662人(デンカビッグスワンスタジアム)

気温が確実に下がってきており、冬の足音が聞こえます。
ホームゲームも今節を含めて残り4試合となりました。
今節は、ブラウブリッツ秋田を迎えての一戦となります。
昨季、圧倒的な戦績でJ3を制覇した秋田は、
引いてがっちり守備を固めて
ボールを奪ったらロングボールを相手陣内に放り込み、
競り合いやセットプレーから得点を狙う、という
ポゼッションサッカーを志向する新潟とはいわば
真逆のスタイルのチームです。
秋田はその確立したスタイルをチーム全体で統一させて、
初となるJ2リーグでもすでに9勝をあげて躍動しています。
異なる戦術同士のぶつかりあい。非常に楽しみな一戦です。

今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは阿部選手。
ディフェンスラインは、右から
藤原選手、千葉選手、舞行龍選手、田上選手。
ボランチは、福田選手、島田選手。
中盤は、右から三戸選手、高木選手、シマブク選手。
ワントップは鈴木選手です。
シマブク選手が初スタメンであり、
これがJリーグデビュー戦となりました。

試合は予想通り、新潟がボールを保持しながら、
秋田は隙を伺う展開となります。
途中で発表されたポゼッション率は、
新潟が82%、秋田が18%。
この数字からみても、
お互いのスタイルがわかると思います。
そして、この数字からみて
圧倒的に新潟がゲームを支配しているかというと
そういうわけでなく、
相変わらず新潟はセンターバックの2人でのパス交換が多く、
しばらくしたら舞行龍選手が前線にロングフィードするも
これがつながらなかったり相手にカットされたりする展開で、
シュートチャンスすら作れません。
一方、秋田も前半はプレスの力もそれほど強くなく、
秋田にもシュートチャンスはあまりありません。
特に前半序盤はお互いシュートが全く打てないという、
観客からみたらあまり魅力的ではない試合になってしまいました。
時間が過ぎてもあまりその状況は変わらず、
前半はお互いのチームが2本ずつシュートを打ったところで終了。
前半は0-0での折り返しとなりました。

後半、開始直後から藤原選手に代えて堀米選手を投入し、
攻撃の糸口を探ります。
一方、秋田は前線からのプレスを強めて得点を奪いにかかります。
なかなか前線にボールをつなげることができない新潟。
今季は、もたもたして得点をとれないうちに
一瞬の隙をつかれて得点を奪われるというゲーム展開も多く、
今節も嫌な状況が続く中、後半14分、
コーナーキックから新潟にも所属していた
増田繁人選手に押し込まれ、
秋田に狙い通りの先制点を与えてしまいます。
その後、ようやくスイッチが入って攻撃が活性化し、
同点ゴールを目指す新潟。
後半28分、シマブク選手に代わって谷口選手が入ると、
後半32分、センターサークル付近でボールを受けた谷口選手が
そこからロングシュート。
前に飛び出していた秋田のゴールキーパーの頭上を通って、
綺麗な弾道のシュートが秋田のゴールに突き刺さり、
谷口選手の素晴らしいロングシュートで
新潟が同点に追いつきます。
その後、さらに逆転ゴールを狙って猛攻をしかける新潟。
シュートシーンも多く演出しますが、
最後のところで決め切ることができません。
そして、後半アディショナルタイムに突入。
秋田に押し込まれ、新潟の選手たちは足が止まって
クリアするのが精一杯。
新潟の選手たちはボールへの反応も遅く、
セカンドボールは秋田に回収され、ゴールを脅かされます。
そしてアディショナルタイム終了間際、
秋田の選手のクロスが舞行龍選手の足に当たり、
これが無情にも新潟のゴールに吸い込まれ、
秋田に痛恨の勝ち越しゴールを許してしまいます。
そして、新潟ボールで試合再開となったところで試合終了。
今節は1-2での敗戦となりました。

今季での昇格は絶望的な状況ですが、
今節も8,000人を越すサポーターが駆けつけました。
このようなクラブは、J1でもそうそうありません。
サポーターの目の前でスペクタクルな試合を展開できるよう、
最後まで戦い抜いてほしいと思います。

次節は10月31日(日)、
アウェイでファジアーノ岡山と対戦します。
岡山は来季もJ2で戦う可能性が高く、
新潟が苦手とするチームの一つです。
しっかりと勝利を掴み、前へと進んでいきましょう。

追記1)
今季、特に引いた相手を前にすると縦パスが全く入らず、
ディフェンスラインでのパス交換が多くなってしまう新潟。
そして、結局は前線へのロングフィードという、
これがポゼッションサッカーといえるのかどうかという
攻撃の組み立てになってしまっています。
今節の新潟のゴールも、谷口選手個人の力によるもので、
パスの精度も低く、連携からゴールを仕留める力は
非常に弱いと言わざるを得ません。
「相手の足を疲れさせるためにパスを回している」といいますが、
ディフェンス陣でのパス交換だけで相手の疲労を誘うのは難しく、
そして5人交代枠も上手に活かして最後まで走り切る相手に対し、
逆に新潟の選手たちのディフェンス陣の足が止まっている状況には
目も当てられません。
一朝一夕でうまくできるものではありませんが、
今季の序盤は縦パスが多く入って魅力的なチームでした。
他チームの対策が進んだということもあるでしょうが、
それは十分承知の上なわけで、
どのようにその対策の上をいくのか。
この戦術を浸透させるためには、それが必要なのでしょう。

追記2)
今節、初スタメンでのJリーグデビューとなった
シマブク カズヨシ選手。
背中の名前が「KAZU」であり、
日本の偉大なプレーヤーと同じというところも注目される彼は、
ペルー出身で浦和レッズユース出身。
身長166cmと小柄ですが、
その足元のボール捌きは独特のリズムで、
今節もさっそくドリブルでしかけていました。
視野も広く、決定的なパスも出せる選手ですが、
今節はポジショニングも悪くパスミスも多く、
やはり連携面ではまだ課題がありそうです。
来季の新潟の中心選手となることが期待されるシマブク選手。
今後の成長が楽しみです。


順位チーム勝点試合得失
1ジュビロ磐田74352285643727
2京都サンガF.C.72352195542925
3ヴァンフォーレ甲府66351997543123
4V・ファーレン長崎62351889533815
5アルビレックス新潟613517108563422
6モンテディオ山形613518710473512
7FC町田ゼルビア593517810533221
8FC琉球553516712493910
9ジェフユナイテッド千葉533514111038317
10水戸ホーリーホック50351481347389
11ファジアーノ岡山453511121231292
12東京ヴェルディ4435128154860-12
13ブラウブリッツ秋田42351012133540-5
14栃木SC3835814133141-10
15大宮アルディージャ3735813144345-2
16レノファ山口FC3435810173146-15
17ザスパクサツ群馬3435810173047-17
18ツエーゲン金沢333589183350-17
19愛媛FC3335712163457-23
20ギラヴァンツ北九州3135613163154-23
21松本山雅FC3135710182859-31
22SC相模原3035612172543-18
首位の磐田と二位の京都は共にドロー。
最近は勝ち点を積み重ねることに伸び悩んでおり、
やはり勝利し続けるというのはどのチームも難しいと思います。
そんな中、好調の甲府が今季も勝ち点3を積み重ねて、
ついに昇格圏との勝ち点差は6となりました。
新潟と同じく「J2オリジナル10」のチームであり、
新潟と仲良くJ2に降格となった甲府。
頑張ってほしい気持ちもありますが、
抜け駆けしないでほしいという複雑な思いもあります笑
とにかく、最後まで昇格争いを盛り上げてほしいです。
下位の方は、大きな順位変動などはなく、
相変わらずJ1経験もある松本が苦しんでいます。
とはいえ、勝ち点差4の中に7チームがひしめき合っています。
残留争いは、最終節までもつれる展開になりそうです。

2021年10月18日月曜日

2021明治安田生命J2リーグ 第34節

021年10月16日(土)

2021明治安田生命J2リーグ 第34節

V・ファーレン長崎 1 vs.    1 アルビレックス新潟

入場者数:5,415人(トランスコスモススタジアム)

いよいよ今季も残りわずか。
今節はアウェイでV・ファーレン長崎と対戦します。
昇格圏を狙うチーム同士の戦いであり、激戦必至です。
強敵ですが、新潟はここで勝利を掴んで
昇格の望みを離さないようにしたいところです。

今季の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは阿部選手。
ディフェンスラインは、右から
藤原選手、早川選手、舞行龍選手、田上選手。
ボランチは、高選手、島田選手。
中盤は、右から三戸選手、高木選手、堀米選手。
ワントップは鈴木選手です。
イエローカードの累積で出場停止の千葉選手に代わって
早川選手がセンターバックに入り、
田上選手が左サイドバックに入って
堀米選手は一つ前のサイドハーフでの出場となりました。
なお、前節の山口戦で負傷交代となった本間選手は
全治6週間と発表されました。
あわせてロメロ選手も負傷していることが報告され、
サイドハーフに怪我人が増えている現状です。
そんな中、新潟医療福祉大学生で
来季の加入が決定しているシマブク カズヨシ選手が
初めてベンチメンバーとして登録されました。

今節の新潟は、序盤から縦方向のパスが多く、
長崎陣内に素早くボールを運んではチャンスを作ります。
長崎もそれほど強く前線からプレスをかけてきません。
そして前半13分、素早いパス交換から
サイドに抜け出した島田選手が早い段階でクロス。
これが中央の鈴木選手に渡り、
鈴木選手は後ろ向きでボールを受けつつも
反転して放ったシュートが見事にゴールネットに突き刺さり、
新潟が早い時間帯での先制に成功します。
その後も素早いパス交換から上手く攻撃を組み立てる新潟。
なかなか追加点は奪えない展開でしたが、
前半34分、鈴木選手がディフェンス陣のミスを誘って
ボールを回収し、ゴールキーパーと1vs1の状況を作り出します。
しかし、そこで後ろから長崎の選手に足を絡め取られ、
これが決定機阻止の判定でレッドカードとなりました。
ペナルティエリアの少し外から放たれた
田上選手のフリーキックはポストに当たり、
残念ながら追加点とはならず。
数的優位となった新潟でしたが、前半40分、
相手選手と激突した三戸選手が立ち上がることもできず、
星選手との負傷交代となりました。
前半はそのまま、0-1での折り返しとなりました。

後半は数的不利の状況でリードを許している長崎が
前線からのプレスを強めて反撃に出ます。
これを受ける新潟は自陣エリアに押し込まれ、
このプレスをかいくぐることができません。
後半7分には、阿部選手がボールを飛んでキャッチし、
着地した瞬間に足を痛めて立ち上がれなくなります。
一度は「×サイン」が出て藤田選手が交代の準備をしますが、
阿部選手は何とか立ち上がってプレーを続けます。
長崎のプレスは更に迫力を増して、
新潟はボールを奪ってもその1回目のパスが相手に渡り、
セカンドボールもすべて拾われて防戦一方となります。
そして後半24分、コーナーキックからゴールを許し、
ついに数的優位な中で同点に追いつかれてしまいます。
その後も猛然と攻め立てて逆転を狙う長崎。
新潟は今一度攻撃のギアをあげたいところですが、
相変わらずパスミスが多く、
新潟のパスはほとんど長崎の選手に渡るような状況で
サッカーの試合になりません。
それでも、からくも長崎に決勝点を与えることは許さず、
試合終了。
今節は1-1での痛み分けとなりました。

リードを奪ったうえで数的優位となった状況で、
相手に一方的に攻められる展開は
決して褒められたものではありません。
攻撃のキーマンであった三戸選手の負傷交代も
痛かったものと思いますが、
数的優位をどのように活かすかの
マネジメントが不足していた印象です。
ピッチの状況は刻々と変化するので、
ピッチの選手たちでその変化に対応できるように
なれるとよいのですが、それはまだまだ難しいようです。

次節は10月23日(土)、ホームでブラウブリッツ秋田と対戦します。
足りない部分は練習しつつ、試合で成長していくしかないので、
1試合1試合を無駄にせず戦い抜いてほしいと思います。

追記1)
今節も相手ディフェンス陣をかき回してミスを誘った鈴木選手。
鈴木選手のゴールは前節のホーム山口戦のゴールや
アウェイでのヴェルディ戦でのゴールなど、
いわゆる「ごっつぁんゴール」と呼ばれるゴールが多く
非難を受けることもありますが、
特にフォワードの選手は点を決めてナンボ、です。
鈴木選手がいるときに相手ディフェンス陣のミスが散見されるので、
詳しいところはわかりませんが
鈴木選手の動きが相手のミスを誘発しているのでしょう。
これからも「ごっつぁんゴール」でよいので、
鈴木選手にはゴールの量産を期待したいです。

追記2)
三位の長崎と四位の新潟の直接対決は引き分けとなりましたが、
首位の磐田も栃木相手に引き分け、
二位の京都も群馬相手に引き分けの結果となりました。
上位陣は、どこかが勝ったときは全てのチームが勝利し、
どこかが引き分けたり負けたりしたときは
「お付き合い」してどこのチームも勝利できない、
という状況が多い印象です。
偶然ということもあるかもしれませんが、
先に試合が終わった競争相手のチームの結果を受けて、
引き分けや敗北しているのを見ると
心のどこかで少し安心してしまうのもあるのかもしれません。
一方、競争相手が勝利しているとなると
死に物狂いで自分たちも勝利しなければならないと思うでしょう。
そのような心の持ちようが、結果に表れているのも
あるのかもしれません。
「他チームの結果に関係なく自分たちの勝利のみ考えて
最善を尽くす」というのは、口で言うのは簡単ですが、
心を持った人間である限り難しいことだろうと思います。


順位チーム勝点試合得失
1ジュビロ磐田73342275623527
2京都サンガF.C.71342185532825
3ヴァンフォーレ甲府63341897523022
4V・ファーレン長崎62341888523616
5アルビレックス新潟613417107553223
6FC町田ゼルビア583417710533221
7モンテディオ山形583417710463511
8FC琉球52341571247389
9ジェフユナイテッド千葉503413111033303
10水戸ホーリーホック49341471346379
11ファジアーノ岡山443411111230282
12東京ヴェルディ4434128144755-8
13ブラウブリッツ秋田3934912133339-6
14栃木SC3734813133141-10
15大宮アルディージャ3434713144044-4
16ザスパクサツ群馬3434810163046-16
17レノファ山口FC333489173045-15
18ツエーゲン金沢323488183249-17
19愛媛FC3234711163255-23
20ギラヴァンツ北九州3134613153051-21
21松本山雅FC3134710172757-30
22SC相模原2934611172442-18
上位陣がこぞって「お付き合い」で引き分けで終わった中、
甲府が勝利を掴んで三位に浮上しました。
新潟と昇格圏との勝ち点差は10のまま。
苦しい状況ですが、上位陣が勝ち点を伸ばせないときこそ
奮起して勝ち点3を取りに行くことが大切です。
下位は、愛媛が琉球相手に見事勝利して最下位を脱出。
代わって相模原が再び最下位に沈んでいます。
少し勝ち点差が開いてきた印象はありますが、
18位の金沢から22位の相模原まで、
勝ち点3差の中に5チームがひしめき合っています。
降格するチームは4チーム。最後まで目が離せません。