2021年10月23日(土)
2021明治安田生命J2リーグ 第35節
アルビレックス新潟 1 vs. 2 ブラウブリッツ秋田
入場者数:8,662人(デンカビッグスワンスタジアム)
気温が確実に下がってきており、冬の足音が聞こえます。
ホームゲームも今節を含めて残り4試合となりました。
今節は、ブラウブリッツ秋田を迎えての一戦となります。
昨季、圧倒的な戦績でJ3を制覇した秋田は、
引いてがっちり守備を固めて
ボールを奪ったらロングボールを相手陣内に放り込み、
競り合いやセットプレーから得点を狙う、という
ポゼッションサッカーを志向する新潟とはいわば
真逆のスタイルのチームです。
秋田はその確立したスタイルをチーム全体で統一させて、
初となるJ2リーグでもすでに9勝をあげて躍動しています。
異なる戦術同士のぶつかりあい。非常に楽しみな一戦です。
今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは阿部選手。
ディフェンスラインは、右から
藤原選手、千葉選手、舞行龍選手、田上選手。
ボランチは、福田選手、島田選手。
中盤は、右から三戸選手、高木選手、シマブク選手。
ワントップは鈴木選手です。
シマブク選手が初スタメンであり、
これがJリーグデビュー戦となりました。
試合は予想通り、新潟がボールを保持しながら、
秋田は隙を伺う展開となります。
途中で発表されたポゼッション率は、
新潟が82%、秋田が18%。
この数字からみても、
お互いのスタイルがわかると思います。
そして、この数字からみて
圧倒的に新潟がゲームを支配しているかというと
そういうわけでなく、
相変わらず新潟はセンターバックの2人でのパス交換が多く、
しばらくしたら舞行龍選手が前線にロングフィードするも
これがつながらなかったり相手にカットされたりする展開で、
シュートチャンスすら作れません。
一方、秋田も前半はプレスの力もそれほど強くなく、
秋田にもシュートチャンスはあまりありません。
特に前半序盤はお互いシュートが全く打てないという、
観客からみたらあまり魅力的ではない試合になってしまいました。
時間が過ぎてもあまりその状況は変わらず、
前半はお互いのチームが2本ずつシュートを打ったところで終了。
前半は0-0での折り返しとなりました。
後半、開始直後から藤原選手に代えて堀米選手を投入し、
攻撃の糸口を探ります。
一方、秋田は前線からのプレスを強めて得点を奪いにかかります。
なかなか前線にボールをつなげることができない新潟。
今季は、もたもたして得点をとれないうちに
一瞬の隙をつかれて得点を奪われるというゲーム展開も多く、
今節も嫌な状況が続く中、後半14分、
コーナーキックから新潟にも所属していた
増田繁人選手に押し込まれ、
秋田に狙い通りの先制点を与えてしまいます。
その後、ようやくスイッチが入って攻撃が活性化し、
同点ゴールを目指す新潟。
後半28分、シマブク選手に代わって谷口選手が入ると、
後半32分、センターサークル付近でボールを受けた谷口選手が
そこからロングシュート。
前に飛び出していた秋田のゴールキーパーの頭上を通って、
綺麗な弾道のシュートが秋田のゴールに突き刺さり、
谷口選手の素晴らしいロングシュートで
新潟が同点に追いつきます。
その後、さらに逆転ゴールを狙って猛攻をしかける新潟。
シュートシーンも多く演出しますが、
最後のところで決め切ることができません。
そして、後半アディショナルタイムに突入。
秋田に押し込まれ、新潟の選手たちは足が止まって
クリアするのが精一杯。
新潟の選手たちはボールへの反応も遅く、
セカンドボールは秋田に回収され、ゴールを脅かされます。
そしてアディショナルタイム終了間際、
秋田の選手のクロスが舞行龍選手の足に当たり、
これが無情にも新潟のゴールに吸い込まれ、
秋田に痛恨の勝ち越しゴールを許してしまいます。
そして、新潟ボールで試合再開となったところで試合終了。
今節は1-2での敗戦となりました。
今季での昇格は絶望的な状況ですが、
今節も8,000人を越すサポーターが駆けつけました。
このようなクラブは、J1でもそうそうありません。
サポーターの目の前でスペクタクルな試合を展開できるよう、
最後まで戦い抜いてほしいと思います。
次節は10月31日(日)、
アウェイでファジアーノ岡山と対戦します。
岡山は来季もJ2で戦う可能性が高く、
新潟が苦手とするチームの一つです。
しっかりと勝利を掴み、前へと進んでいきましょう。
追記1)
今季、特に引いた相手を前にすると縦パスが全く入らず、
ディフェンスラインでのパス交換が多くなってしまう新潟。
そして、結局は前線へのロングフィードという、
これがポゼッションサッカーといえるのかどうかという
攻撃の組み立てになってしまっています。
今節の新潟のゴールも、谷口選手個人の力によるもので、
パスの精度も低く、連携からゴールを仕留める力は
非常に弱いと言わざるを得ません。
「相手の足を疲れさせるためにパスを回している」といいますが、
ディフェンス陣でのパス交換だけで相手の疲労を誘うのは難しく、
そして5人交代枠も上手に活かして最後まで走り切る相手に対し、
逆に新潟の選手たちのディフェンス陣の足が止まっている状況には
目も当てられません。
一朝一夕でうまくできるものではありませんが、
今季の序盤は縦パスが多く入って魅力的なチームでした。
他チームの対策が進んだということもあるでしょうが、
それは十分承知の上なわけで、
どのようにその対策の上をいくのか。
この戦術を浸透させるためには、それが必要なのでしょう。
追記2)
今節、初スタメンでのJリーグデビューとなった
シマブク カズヨシ選手。
背中の名前が「KAZU」であり、
日本の偉大なプレーヤーと同じというところも注目される彼は、
ペルー出身で浦和レッズユース出身。
身長166cmと小柄ですが、
その足元のボール捌きは独特のリズムで、
今節もさっそくドリブルでしかけていました。
視野も広く、決定的なパスも出せる選手ですが、
今節はポジショニングも悪くパスミスも多く、
やはり連携面ではまだ課題がありそうです。
来季の新潟の中心選手となることが期待されるシマブク選手。
今後の成長が楽しみです。
最近は勝ち点を積み重ねることに伸び悩んでおり、
やはり勝利し続けるというのはどのチームも難しいと思います。
そんな中、好調の甲府が今季も勝ち点3を積み重ねて、
ついに昇格圏との勝ち点差は6となりました。
新潟と同じく「J2オリジナル10」のチームであり、
新潟と仲良くJ2に降格となった甲府。
頑張ってほしい気持ちもありますが、
抜け駆けしないでほしいという複雑な思いもあります笑
とにかく、最後まで昇格争いを盛り上げてほしいです。
下位の方は、大きな順位変動などはなく、
相変わらずJ1経験もある松本が苦しんでいます。
とはいえ、勝ち点差4の中に7チームがひしめき合っています。
残留争いは、最終節までもつれる展開になりそうです。
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