2025年8月23日(土)
2025明治安田J1リーグ 第27節
アルビレックス新潟 1 vs. 2 鹿島アントラーズ
入場者数:26,100人(デンカビッグスワンスタジアム)
連敗を引き分けで食い止めたとはいえ、
シーズン終盤にきて非常に苦しい状況となっている新潟。
今節は、ホームに鹿島アントラーズを迎えての一戦です。
鹿島は新潟にとって2010年以降リーグ戦で勝てていない、
非常に苦手とする相手です。
とはいえ、もはや相手が誰であれ
勝ち点3を全力で毎試合狙わなければなりません。
今節の新潟の開始フォーメーションは、4-4-2。
ゴールキーパーは田代選手。
ディフェンスラインは、右から
植村選手、舞行龍選手、舩木選手、橋本選手。
ボランチは白井選手、新井選手。
サイドハーフは、右にモラエス選手、左に小原選手。
ツートップは長谷川選手とブーダ選手です。
イエローカード累積により
出場停止となった藤原選手に代わって
右サイドバックには植村選手が入りました。
試合は序盤から動きます。
前半4分、自陣深く押し込まれた中での
田代選手のパスが舞行龍選手に渡らず、
これを鹿島の選手にカットされてあっという間に失点。
今季よくあるように、
今節も出鼻を挫かれるように早々に先制点を献上しました。
新メンバーが加わってから
とくに前半にエネルギーをかけて攻める新潟。
今節も前線のブーダ選手目掛けてボールを放り込み、
多くのチャンスを演出します。
そして前半17分、
左サイドへ侵入し、ボールは一旦鹿島に渡りますが、
鹿島の選手のキーパーへのバックパスが
短くなったところを見逃さず、
ブーダ選手がいち早く回収してシュート。
これはキーパーに防がれますが、
こぼれ球にいち早く駆け付けたのはモラエス選手。
これをきっちり流し込み、
新潟が相手のエラーを誘って
しっかり得点に結びつけ、同点に追いつきます。
その勢いのまま勝ち越したいところでしたが、
なかなか鹿島の強固な守備を崩すことはできず。
前半は1-1での折り返しとなりました。
後半も一進一退の攻防が続きます。
新潟も前半と同様にブーダ選手を中心に攻め立てて、
鹿島ゴールを脅かしますが
なかなかゴールを奪うことはできません。
すると後半21分、新潟はなぜか
攻撃の組み立て役だった両サイドの
モラエス選手、小原選手をどちらも下げて、
守備意識を高めるような形となります。
こうなると鹿島は黙っていません。
次々と選手交代を駆使しては攻勢を強めて
新潟ゴールに迫ります。
なんとか跳ね返し続けていた新潟ですが、
後半42分、相手シュートが
奮闘していた舩木選手の足にあたって
ゴールに吸い込まれるという、
これぞ調子を崩しているクラブの失点で、
終了間際に鹿島に勝ち越し点を与えてしまいます。
慌ててボランチに長谷川選手を残しながら
谷口選手を投入して攻撃に出る新潟ですが、
時すでに遅し。
今節は、1-2での敗戦となりました。
善戦しながらも勝利することができず、
非常に悔しい敗戦となりましたが、
これぞ鹿島といった印象です。
正直、鹿島の選手たちの動きは
あまり良くなかった印象ですが、
それでも勝ち切ることができるのが鹿島です。
一方で、良い流れを作りながらも、
選手交代で自らその流れを壊したり
手放したりするのが新潟です。
百戦錬磨の鹿島の鬼木監督の指示は明確で、
0勝の入江監督とは雲泥の差でした。
試合終了後には、入江監督の口からは
「(1-1の引き分けの際に)攻撃に出るか
守りに入るか躊躇した」との言葉が出ました。
翌日の新潟日報では、
「(残留のためには勝ち点3が絶対に必要な)この状況下で
引き分けを狙うというのは本当に選択肢として
あったのか」という、
明確な入江監督の采配批判の言葉が掲載されました。
アルビレックス新潟のユニフォームスポンサーでもある
新潟日報は、どのような敗戦でも
次につながるような言葉で締めくくられるのが通常で、
このような批判記事は異例です。
それほどスポンサーである新潟日報も
今のチーム状況には不満がたまっているということでしょう。
おそらく、あのスタジアムにいた
選手やサポーターの多くが、相手が鹿島とはいえ
最後まで勝利を目指していたと思いますが、
まさか肝心の監督が引き分け狙いも考えていたというのは
非常に残念です。
苦しいですが、
選手たちを信じて応援を続けるしかありません。
次節は8月31日(日)、
アウェイで浦和レッズと対戦します。
新潟にとって埼玉スタジアムは
Jリーグ創設以来一度も勝利したことがない
鬼門中の鬼門のスタジアム。
今節に続いて苦しい試合が続きますが、
もうやるしかありません。
むしろここから新たな歴史を作るくらいの勢いで、
選手たちには奮闘してもらいたいと思います。
今節も、試合開始前には
スクール生によるエキシビジョンマッチが
開催されました。
このようなチーム状況であっても、
選手たちは子どもたちにとって憧れの存在であり、
目標でもあります。
最後まで、それを忘れずに
戦い抜いてほしいと思います。
京都はFC東京に快勝し、勝ち点は鹿島と並んでいますが
得失点差で首位を維持しています。
一方で、町田と引き分けた横浜FMはついに残留圏へ浮上しました。
一時は最下位に沈んでいた横浜FMですが、
目玉だった前線の3人のブラジル選手も全員新天地へ移籍となり、
新チームとなって順調に勝ち点を伸ばしています。
湘南はなかなか勝利を掴むことができず、
今節も岡山に競り負けてついに降格圏に転落しました。
もうすぐ残り10試合。
勝ち点5の差は2試合でひっくり返ることもあるので、
最後まであきらめなければ
勝利の女神様は微笑んでくれるかもしれません。