2021年11月28日(日)
2021明治安田生命J2リーグ 第41節
FC琉球 1 vs. 1 アルビレックス新潟
入場者数:3,361人(タピック県総ひやごんスタジアム)
今季も残り二試合。
今節は、アウェイでFC琉球と対戦します。
序盤は新潟も琉球も好調で昇格圏にいましたが、
どちらも失速してしまい中位になってしまいました。
新潟も琉球も、昇格も降格もない中での戦いですが、
お互い最後まで勝利目指して
熱い試合を見せてほしいと思います。
今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは阿部選手。
ディフェンスラインは、右から
長谷川選手、千葉選手、舞行龍選手、堀米選手。
ボランチは高選手、島田選手。
中盤は、右から谷口選手、高木選手、三戸選手。
ワントップは鈴木選手です。
いつもはボールを保持して攻撃を組み立てる琉球ですが、
今節は引いてじっくり構えてカウンターを狙います。
「新潟対策」として多くのチームが採用する戦術を前に、
新潟の真価が問われる一戦となりました。
新潟はいつもどおりボールを保持しながら、
隙をみて縦パスをいれて決定機を演出します。
相手ゴールキーパーのビッグセーブもあり、
なかなかゴールを割ることができない中、
前半35分、ディフェンスラインの裏抜けを許して失点。
今季、よく見てきたような展開で、
よく見る形で先制点を献上してしまった新潟。
どうしても「攻め続けながら得点を奪えず、
そうしているうちに裏抜けを許して失点する」
という流れを変えることができません。
しかし、その後もやることは変えずに
攻め続けるしかない新潟。
前半のうちに追いつくことはできず、
1-0での折り返しとなりました。
後半、新潟は長谷川選手に代えて藤原選手を投入。
すると自陣左サイドで相手のプレスをかわし、
右サイドの藤原選手にボールを回して
攻撃を組み立てる戦術が奏功し、
藤原選手は右サイドの上下運動を繰り返して
琉球ゴールに迫ります。
後半3分、藤原選手のクロスを中央で鈴木選手が左足であわせ、
さっそく同点に追いつきます。
その後も勝ち越し点を狙って攻め続ける新潟。
しかし、自陣サイドまで追いやられると
そこで琉球のプレスをうまくかわすことができず、
逆にボールを奪われてはピンチを招いてしまいます。
それでも前線に大きくボールを放り込むことはせず、
あくまでも自陣からの組み立てを徹底する新潟。
うまくプレスを剥がせたときは
素早く前線にボールを運んでチャンスを演出しますが、
最後のクロスの精度が精彩を欠いて得点を奪えません。
守備陣は最後まで琉球に勝ち越し点を許さず、試合終了。
今節は1-1でのドローとなりました。
攻め続ける中で得点を奪えず、その嫌な流れの中で先に失点し、
なんとか同点に追いつくもそこまで、という試合は
今季何度も見ているような気がします。
これで今季の引き分けは14試合目。
もどかしい試合が多くなっています。
序盤とは打って変わり、
複数得点がとれる試合も数えるほどになりました。
来季に向けて「大きく戦術を変えることはない」ということですが、
今のままでどのようにシーズンを通して
勝ち点を稼げるチームに変貌させていくのか。
もう来季に向けた戦いは始まっています。
次節はいよいよ最終節、ホームにFC町田ゼルビアを迎えます。
昇格がなくなっても、監督の退任が早々に決まっても、
それでも最後まで応援を続けてくれるサポーターのために、
勝利を目指して戦い抜いてほしいと思います。
追記1)
今節、三戸選手は前半から調子がよく、
何度も相手からボールを奪っては素早く前線へボールを運び、
チャンスを演出していました。
中盤の若い選手はえてして「守備が苦手」ということで
スタメンを勝ち取るのは難しく、
試合途中からリードを許した中での攻撃の切り札として
投入されることが多くなりがちですが、
最近の三戸選手はスタメン出場が多くなっており、
その要因として守備力が向上していることは
間違いなくありそうです。
守備というのはただ「ゴールを守る」ということではなく、
相手陣内でボールを奪えばそのままビッグチャンスになりますし、
自陣でボールを奪えばそれが攻撃の開始となります。
攻守一体であるサッカーでは、
守備力の向上はそのまま得点力の向上につながることでしょう。
今後も、三戸選手の成長が楽しみです。
追記2)
後述しますが、他会場の結果ですが
二位の京都は千葉相手に引き分けとなり、
その結果三位の甲府との勝ち点差が4となり、
一試合を残してJ1への昇格が決定しました。
京都の選手、スタッフ、サポーターの皆様、
おめでとうございました。
そして、首位の磐田は群馬相手に引き分け、
二位の京都との勝ち点差は5のままで、
今季のJ2リーグの優勝はジュビロ磐田で決まりました。
磐田の選手、スタッフ、サポーターの皆様、
昇格に続いてJ2リーグ優勝、おめでとうございます。
磐田と京都はいずれも安定した強さを誇っており、
どちらも今季の昇格クラブにふさわしいと思います。
来季、「J2昇格組」として
J1リーグで旋風を巻き起こしてほしいと思います。
追記3)
残留争いについてですが、
最下位の松本は相模原相手に
土壇場で引き分けに持ち込みましたが、
今節の結果をもって
絶対降格圏の20位以下が決まってしまいました。
そして、21位の愛媛も水戸相手に敗北し、
今節でJ3リーグ降格が決まっています。
20位の北九州は栃木相手に敗北し、
まだ絶対降格圏ではない19位になる可能性はありますが、
19位の相模原とは勝ち点差が3、得失点が9であり、
一試合でこれをひっくり返すのは厳しい状況となっています。
松本は言わずと知れたJ1リーグでも戦っていたクラブで、
サポーターの熱さも含めて
新潟と激戦を繰り広げてきたクラブです。
愛媛はJFLからJ2リーグへ昇格してきたクラブで、
なかなか新潟がホームで勝利を掴めなかったクラブです。
松本も愛媛も、J3リーグを経験するのは来季が初めてとなります。
北九州は、昨季はJ3リーグからの昇格組として躍動し、
終盤は少し失速しましたが5位でフィニッシュしたクラブです。
力をもっていると思われるクラブでも、
J3リーグへ降格してしまうことが起きてしまうリーグ。
それが「魔境」といわれるJ2リーグです。
新潟も、明日は我が身。来季はどうなるか、わかりません。
しっかり現実を見て、来季もJ2リーグを戦っていきましょう。
改めて、磐田と京都の関係者の方々、おめでとうございます。
三位の甲府は意地をみせて今節も山口相手に勝利し、
勝ち点を79まで伸ばしています。
昨季は、昇格組の徳島と福岡の勝ち点はいずれも84であり、
三位の長崎は80まで伸ばしましたが昇格は叶いませんでした。
今季の甲府は、次節に勝利しても勝ち点は82までとなります。
昇格を目指すためには、80ではなく
83以上の勝ち点が必要といえそうです。
一方、降格が決まってしまった松本と愛媛。
J3リーグでは宮崎が熊本相手に勝利し、
暫定的に首位に立っています。
宮崎が最終的に二位以内に入れば
19位のクラブは残留となる今季のJ2リーグ。
最終節まで「19位争い」を含めた残留争いは
持ち越されることになりました。