2023年5月14日(日)
2023明治安田生命J1リーグ 第13節
アルビレックス新潟 2 vs. 1 横浜F・マリノス
入場者数:24,501人(デンカビッグスワンスタジアム)
前節、三連敗を引き分けで止めて迎えた今節。
今節もホームで、横浜F・マリノスを迎えての一戦です。
横浜FMは言わずと知れた昨年の王者で、
最近は川崎フロンターレと優勝を取り合っています。
ボールを保持しながらも攻守の切り替えが早く、
前線の外国籍選手を中心とした鋭いカウンターも併せ持つ、
まさに今の新潟が理想としているスタイルでしょう。
今季もここまで2位と調子が乗ってきている横浜FM。
この強敵を相手に、今の新潟がどこまでやれるか、
非常に楽しみな一戦です。
今節の新潟の開始フォーメーションは、4-2-3-1。
ゴールキーパーは小島選手。
ディフェンスラインは、右から
藤原選手、舞行龍選手、千葉選手、堀米選手。
ボランチは島田選手、高選手。
中盤は、右から三戸選手、伊藤選手、小見選手。
ワントップは鈴木選手です。
キーパーに戻ってきた小島選手が入って、
前節に負傷交代となった星選手のところに島田選手が入る以外、
前節と同じメンバーとなりました。
試合は新潟のキックオフから前線へボールを運び、
相手にボールを触れさせずに
伊藤選手のシュートまでつなげるという形で始まりました。
これは相手キーパーに好セーブされましたが、
シュートの意識を高く持つために上々の滑り出しかと思います。
しかし、その後は横浜FMのパス回しに翻弄され、
また自陣でのボールロストや、
敵陣に攻め込みつつも中途半端なパスをカットされて
カウンターを受けるという、いつもの嫌な流れが立ち込めます。
そんな中、伊藤選手のスルーパスから
小見選手が抜け出して相手キーパーと1vs1となりますが、
シュートは枠外に逸れてしまってゴールとはならず。
0-0で何とか抑えたかった前半でしたが、
アディショナルタイムにコーナーキックの流れから
最後はヘディングで押し込まれてしまい、
先制点を与えたところで前半終了。
前半は0-1での折り返しとなりました。
後半、攻めるしかない新潟は吹っ切れたこともあってか
リスクを恐れず前へ進み、シュートチャンスも演出します。
そして後半12分、敵陣でボールを奪うと
鈴木選手のスルーパスが伊藤選手へ渡り、
伊藤選手は飛び出してきたキーパーをワンタッチでかわすと
そのまま無人のゴールへ流し込み、
後半の早い時間帯に新潟が同点とします。
その後も勝ち越し点を狙うべく、攻勢を強める新潟。
すると後半22分、自陣で相手のパスミスをカットすると
ボールを前線の三戸へ送り、
三戸選手は寄せが甘いとみるや
ペナルティエリア外から思い切り右足を振り抜き、
これが見事に一瞬でゴールネットに突き刺さり、
新潟が逆転に成功します。
その後、攻撃を圧力を強める横浜FMですが、
新潟は硬い守備でこれを弾き返しつつ、
自陣でボールを回収してはカウンターで
追加点を狙いに行きます。
追加点のチャンスもありましたが、
なかなか勝利を近づける追加点は奪うことはできず。
それでも結果的に後半は横浜FMのシュートを0本に抑え込み、
試合終了。
今節は2-1での勝利となりました。
5試合ぶりの勝利となり、
しかも相手が昨年覇者の横浜FMということで、
これはチームを勢いづける一勝になると思います。
引き続き、次の試合の勝利だけを考えて、
勝利を積み重ねていきましょう。
次節は5月20日(土)、アウェイでサガン鳥栖と戦います。
ここから順位が下位のチームとの戦いが続きますが、
だからといって油断できないのは言うまでもありません。
今後も「目の前の相手が最強の敵」の精神のもと、
戦い続けていくだけです。
追記1)
今節は、日本代表監督の森保監督がスタジアムに
訪れていました。
パリ五輪代表監督も兼ねている森保監督。
伊藤選手の動きにはもちろんですが、
小島選手の足元の技術やパスの精度、セービングに加え、
三戸選手のスーパーシュートには度肝を抜かれたことでしょう。
高卒ルーキーとして新潟に加入した三戸選手は
当初は思い切りの良いドリブルやシュートを武器にしていましたが、
最近はその思い切りの良さが少しなりをひそめて、
相手陣内深く侵入してもシュートではなくパスを選択し、
それが相手に回収されてカウンターから失点してしまう、
という流れが散見されるようになってしまっていました。
今節、三戸選手がボールを保持した際に
横浜FMの選手の寄せが甘かったのは、
最近の三戸選手の様子から「ここでシュートはない」という
意識が働いてしまったからではないでしょうか。
しかし、ようやく力強いシュートを
打てる三戸選手が戻ってきました。
試合終了後、舞行龍選手も言っていましたが、
もともと高い技術とポテンシャルを持っている選手なんです。
敵陣で「人任せ」にするのではなく、
やはりシュートが打てる状況ならばしっかり打ってほしい。
そしてそれは、小見選手にとっても同様です。
今節は三戸選手のゴールが
「三戸選手のJ1での初ゴール」となりました。
次は、小見選手の番です。
今節は決定機を外してしまい、
試合終了後も非常に悔しい表情の小見選手が印象的でした。
次こそしっかり決め切って、「小見選手のJ1での初ゴール」で
チームを勝利へと導いてほしいと思います。
追記2)
渡邊泰基選手のセンターバック起用。
これに追求しないわけにはいきません。
後半途中から、センターバックの千葉選手と
右サイドバックの藤原選手に代えて
新井選手と渡邊選手が投入されました。
センターバックもサイドバックもできる新井選手が
センターバックのポジションに入るのかと思いきや、
新井選手は右サイドバックの位置へと駆けていき、
千葉選手がいた左センターバックには
渡邊選手が入りました。
これにはスタジアムも一瞬どよめいたような印象です。
渡邊選手は左利きで身長180cmの大柄サイドバックで、
対人の強さや高さを武器とする
堀米選手とは違うタイプのサイドバックです。
新潟のように後方からパス回しで攻撃を組み立てる戦術において、
「左利きのセンターバック」がいるかいないかでは
センターバックからのフィードに大きく差ができてしまい、
結果的に得点力が下がって
失点リスクが高くなってしまうことがあります。
今節の対戦相手であった横浜FMにも角田選手という
左利きのセンターバックがおり、
今季は多く試合に出ることで急成長していますが、
新潟戦では負傷のため出場することはできませんでした。
角田選手の代わりに出場したエドゥアルド選手も、
左利きのセンターバックです。
千葉選手の左足からのフィードも悪くはありませんが、
右利きなのでどうしても右よりは精度は落ちてしまい、
相手チームは千葉選手の右足を切ってきて、
左足でパスを出させるように誘導してきます。
そこに渡邊選手がセンターバックとして計算できるようになれば、
相手チームのプレスをうまく剥がすことができて、
新潟の戦術がますます広がっていくことでしょう。
身長180cmはセンターバックとしては小柄になってしまいますが、
スピードやフィジカル、高さは申し分なし。
そして何より、足元の技術が鍛えられているのが
新潟のセンターバックに求められる部分であり、
ここをクリアできるのは渡邊選手の強みです。
今節は、最後まで横浜FMの攻撃をシャットアウトできた渡邊選手。
センターバックで活躍することができるようになれば、
渡邊選手自身のサッカー人生の大きな転機にもなりますし、
新潟にとって非常に力強い武器になります。
今後も、渡邊選手のセンターバックとしての成長が楽しみです。
試合開始前は、美しいコレオで
サポーターは選手たちを鼓舞しました。
「揺るがない覚悟と信念を胸に」
「新潟のフットボールで更なる高みへ」
「GO STRAIGHT!!」
最近は結果が芳しくなかった新潟ですが、
ぜひこのスタイルを貫いて
勝ち切れるように成長してほしいと思います。
横浜からも非常に多くのサポーターがお越しいただき、
大きい声で選手たちを鼓舞していました。
試合開始前は、新潟と横浜FMのスクール生による
交流戦も行われました。
なかなかコロナ禍はこのような交流戦はできませんでしたが、
今後もサッカーを通じて
仲間の輪を広げていってほしいと思います。
一方で、残留争いに変化あり。
最下位に沈んでいた横浜FCは柏に勝利し、
ガンバを抜いてついに最下位を脱出しました。
対してガンバは今季ここまでわずか1勝、今節で4連敗と、
非常に苦しいシーズンとなっています。
明日は我が身。
人の心配をしている余裕はなく、
新潟にとっても引き続き目の前の試合での勝利のみを目指して
戦い抜いていくのみ、です。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。